今注目のEdTech(エドテック)企業10選!教育×ITの大手・ベンチャー・スタートアップを紹介

今注目のEdTech(エドテック)企業10選!教育×ITの大手・ベンチャー・スタートアップを紹介

目次

1. EdTech市場の現状と成長性

EdTech市場の拡大背景

 EdTech市場の拡大は、教育業界での課題をテクノロジーの力で解決しようとするニーズの高まりによって促進されています。一斉授業の限界や地域格差、教員の負担など、従来の教育システムが抱える問題を解消する手段としてEdTechが注目されています。また、GIGAスクール構想による全国の小中高での1人1台のコンピュータ配布の加速化により、インフラ環境が整い、EdTechソリューションの活用が急ピッチで進む環境が整っています。

少子化が後押しする新たな教育ニーズ

 少子化が進む日本では、教育のパーソナライズ化が必要不可欠となっています。生徒一人ひとりに合わせた学習支援が求められており、これを実現する手段としてEdTechが大きな役割を果たしつつあります。個別最適化されたオンライン学習プラットフォームやAIを使った学習サポートツールが、教育現場での新たな価値を生み出しています。また、保護者や学校との教育連携を支援するEdTechツールの需要も増加しています。

世界と日本のEdTech市場規模

 世界のEdTech市場規模は2023年に約1,423億7,000万米ドルに達するとされ、2024年から2030年には年間平均成長率13.4%が予測されています。一方、日本のEdTech市場は2023年に約3,000億円の規模が見込まれ、2027年には約3,600億円に達する見込みです。このような大きな成長性の背景には、ICT教育の普及やオンライン化の加速により教育サービスへの投資が拡大していることが挙げられます。

テクノロジー活用で変革する教育の形

 EdTechの進化は、教育の形そのものを大きく変えています。AIを活用した個別最適化学習やオンライン学習プラットフォームの登場により、従来の教室中心の学びでは実現できなかった体験が提供されています。特に、AIやビッグデータを利用して生徒の理解度や進捗に応じた最適な学習支援を行うサービスが注目されています。また、IoTやXRを用いたインタラクティブな学びの提供により、教室内外での教育の質向上が期待されています。これらの技術は子どもだけでなく、社会人教育や企業研修市場にも新たな可能性をもたらしています。

2. 国内の大手EdTech企業

国内トップのEdTech企業一覧

 EdTech市場の急成長に伴い、日本国内でも大手企業が教育分野においてITを活用した取り組みを拡大しています。ベネッセ、リクルートなどの既存の教育・人材大手だけでなく、レアジョブやSchooなど、学習支援を目的とした多様なEdTech企業が市場を賑わせています。特に、個別化されたオンライン学習やリモートでの双方向授業に対応したサービスは注目されています。こうした企業の進化は、教育業界が抱える課題に対する有力な解決策へとつながっています。

Z会やベネッセの新しい挑戦

 教育業界の老舗であるZ会やベネッセコーポレーションは、EdTechを活用した新たな挑戦を続けています。Z会は、高品質な学習コンテンツをオンライン化することで、地域格差を解消する取り組みを進めており、自宅からでもトップクラスの教育を受けられる環境を提供しています。一方、ベネッセは「進研ゼミ」などの既存サービスとEdTechを融合させたハイブリッド型のサービスを展開し、生徒一人ひとりの学習習熟度に合ったサポートを実現しています。こうした取り組みは、EdTechを通じた個別最適化学習の一歩として評価されています。

リクルートグループのEdTech関連展開

 リクルートグループもまた、EdTech市場での存在感を強めています。学習プロセスの効率化と成果向上を目指すリクルートの「スタディサプリ」は、オンライン学習プラットフォームとして広く普及し、学生だけでなく社会人教育にも活用されています。また、リクルートは教育関連スタートアップへの投資や提携にも積極的で、国内のEdTech市場の成長を牽引しています。同社のサービスは、利便性と専門性の高さから利用者からの評価も高く、EdTech企業の中でも重要なプレーヤーの一つとなっています。

3. 国内の注目ベンチャー企業

独自のプラットフォームで成長を遂げる企業

 国内には、独自のプラットフォームを活用して急速に成長しているEdTech企業が多く存在します。このような企業は、生徒や教師、学校のニーズに応じた柔軟な教育ソリューションを提供しており、従来の教育環境では解決が難しかった課題にも対応しています。特に、スタディプラス株式会社が提供する学習管理アプリ「Studyplus」は、学生の学習進捗を可視化することでモチベーションを高めるツールとして高い評価を得ています。また、株式会社Libryが提供するデジタル教材プラットフォームは、教師の負担軽減だけでなく、生徒一人ひとりの学習スタイルに合わせた学びの提供が可能です。これらのEdTech企業が開発するプラットフォームは、学習をより効率的で楽しいものに変え、教育の形を新たに切り開いています。

スタートアップが手掛ける教育の革新

 スタートアップ企業が手掛けるEdTechは、従来の教育方法を大きく変革するポテンシャルを秘めています。例えば、atama plus株式会社が提供するAIを活用した個別学習プログラムは、生徒ごとの理解度や進捗に合わせた最適な学習コンテンツを自動生成する仕組みを採用しており、教育現場での活用が進んでいます。また、株式会社ユームテクノロジージャパンは、企業研修向けのラーニングプラットフォームである「UMU」を提供しており、社会人教育におけるEdTech分野でも注目されています。これらのスタートアップは、教育現場の様々な課題に取り組みながら、IT技術を駆使して教育の可能性を広げています。

LearnTech分野で急成長する企業

 近年では特に「LearnTech(ラーニングテクノロジー)」と呼ばれる分野が注目されています。これは教育と学習を更に効果的にするテクノロジーを提供する領域を指します。中でも、モノグサ株式会社は、記憶を効率的に定着させる学習サポートツールを開発し、学校や塾、企業の研修において積極的に活用されています。また、株式会社エナジードの提供する学習プログラム「ENERGY EDUCATION」は、21世紀型スキルを育むための教材として多くの教育現場に採用されています。こうした企業は、ただ知識を教えるだけでなく、持続可能な学びを提供し、人材の成長を支援することで、教育業界を牽引する存在となっています。

4. 海外の注目EdTech企業

グローバルで活躍する教育×IT企業

 グローバル市場では、EdTech企業が教育の未来を変革する重要な役割を果たしています。特に北米やヨーロッパでは、オンライン学習プラットフォームやeラーニングツールを提供する企業が急速に拡大しています。たとえば、CourseraやUdemyのようなプラットフォームは、世界中の学習者に高品質な教育を提供し、働きながら学びたい社会人にも利用されています。また、Khan Academyは、無料で学べるコンテンツを提供し、学習へのアクセスを誰もが平等に得られる環境づくりを進めています。これらの企業はIT技術の活用によって教育支援を行い、個々の学習ニーズに対応したサービスを展開しています。

GoogleやMicrosoftのEdTechへの取り組み

 GoogleやMicrosoftといったテクノロジー大手企業も、EdTech市場に積極的に参入しています。Googleは「Google Classroom」を中心に、教育機関向けのクラウドサービスやオンライン授業支援ツールを提供しており、GIGAスクール構想を後押しする重要な機能を持っています。また、Microsoftは「Microsoft Teams」を活用したオンライン教育プラットフォームを展開し、教育現場の効率化を支えています。これらのツールは、教員の負担軽減や生徒の学習効率向上に寄与しており、エドテック分野での存在感を示しています。

アジアや北米で注目のスタートアップ

グローバルなEdTech市場では、アジアと北米を中心に革新的なスタートアップ企業が台頭しています。それぞれの地域で教育の課題に対応した独自のソリューションを提供し、急速に成長を遂げています。

中国のEdTech市場の変化と新たな潮流

中国では、2021年に政府が実施した教育規制強化(「双減政策」)により、従来のオンライン学習塾ビジネスモデルが大きく制限されました。この政策により、VIPKidをはじめとする多くのEdTech企業が外国人教師による授業サービスを終了するなど、ビジネスの大幅な転換を余儀なくされています。

しかし、市場の変化は新たな機会も生み出しています。規制強化後、中国のEdTech企業はプログラミング教育や素質教育(非学科系教育)へとシフトしています。特に注目されるのがCodemao(編程猫)です。同社は子ども向けプログラミング教育プラットフォームを提供し、TIME誌とStatistaが共同発表した「World’s Top EdTech Companies 2025」でトップにランク付けされています。ビジュアルプログラミングを採用し、中国全土で幅広く利用されています。また、Yuanfudao(猿輔導)も規制後に事業を多角化し、AI学習アプリ「斑馬(Zebra)」などの新サービスを展開しています。

インドの急成長するEdTech市場

インドのEdTech市場は世界でも特に成長が著しく、2020年の28億米ドルから2025年には104億米ドル(約3.7倍)に達すると予測されています。若年人口が多く、デジタル化が急速に進むインドでは、BYJU’SがAIを活用した学習プラットフォームで市場をリードしています。同社は個別最適化学習を提供し、インド国内外で1億5,000万人以上の学習者を抱えています。BYJU’Sは教育支援の多角化を進め、K-12教育から試験対策まで幅広い分野をカバーしています。

北米で注目される革新的EdTechスタートアップ

北米、特にアメリカはEdTech発祥の地であり、依然として市場を牽引しています。Duolingoはゲーミフィケーションを取り入れた言語学習アプリとして世界的に人気を博しており、楽しみながら学べる仕組みが高く評価されています。また、Photomathは数学の問題をカメラでスキャンするだけで、ステップバイステップの解説を提供するアプリとして、世界で1億ダウンロードを超え、学生の学習支援ツールとして定着しています。

さらに、CourseraやUdemyといったMOOC(大規模公開オンライン講座)プラットフォームは、働きながら学びたい社会人や、継続的なスキルアップを目指す人々に広く利用されています。これらのプラットフォームは日本語対応コンテンツも拡充しており、グローバルな学習機会を提供しています。

東南アジアの新興EdTech市場

東南アジアでも、EdTech市場が急速に拡大しています。シンガポールやベトナムを中心に、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド型の教育モデルが注目されています。特にSTEM教育への需要が高まっており、プログラミングやデジタルスキルを学べるプラットフォームが人気を集めています。

海外企業と日本市場のつながり

 海外のEdTech企業は日本市場への進出も積極的に行っています。CourseraやUdemyは日本語対応の学習コンテンツを拡充し、国内での利用者を増やしています。また、GoogleやMicrosoftの教育ツールは、日本の教育機関でも広く採用されており、GIGAスクール構想の推進にも貢献しています。一方で、日本市場に進出する海外企業は、文化や教育制度の違いを考慮したローカライズが求められることも多いです。このような取り組みを通じて、世界のEdTechが日本の教育現場に与える影響はますます大きくなっています。

5. これからのEdTechの展望

AIやXR、IoTの活用とその可能性

 EdTech分野では、AI(人工知能)、XR(拡張現実・仮想現実)、IoT(モノのインターネット)といった最新テクノロジーの活用が進んでいます。AIは個々の学習者の進捗や理解度を分析し、パーソナライズされたカリキュラムを提供するツールとして注目されています。また、XR技術を利用すれば、教室では体験できない現実世界のシミュレーションや仮想空間での学びを実現できます。一方で、IoTデバイスを使うことで、生徒一人ひとりの学習状況をリアルタイムで把握し、より細やかな支援を行うことが可能になります。これらの技術は、教育をよりインタラクティブかつ効率的なものへと変革させる可能性を秘めています。

教育現場の課題解決にEdTechが果たす役割

 日本の教育現場が抱える課題として、教員の過重労働や個別指導の難しさ、地域間格差などが挙げられます。EdTechはこれらの問題解決に大きな貢献を果たしています。例えば、授業準備や採点を自動化するAIツールの導入により教員の負担を軽減することが可能です。また、オンライン学習プラットフォームを活用することで、アクセスが難しい地域や経済格差がある生徒にも高い質の教育を届けることができます。さらに、EdTech企業が提供する学習データ分析によって、一斉授業では把握しにくい生徒の個性や習熟度を可視化し、より的確な指導を実現する手助けをしています。

社会人教育や企業研修市場への普及

 EdTechは学校教育に限らず、社会人教育や企業研修の分野にも広がりを見せています。特にオンライン学習プラットフォームやeラーニングシステムは、業界にも依存しない柔軟なスキルアップの場を提供しています。たとえば、AIを使ったスキル強化プログラムや、XRを活用した実践的なトレーニング環境が人気を集めています。EdTechは企業が持つ人材育成の課題を解決し、研修コストの効率化や従業員の学習意欲向上に寄与しています。また、社会人向けのEdTechツールは、変化の激しいビジネス環境において、各個人が主体的に学び直しを行う「リスキリング」や「アップスキリング」を支援する重要な役割を担っています。

EdTechが教育に与える未来のインパクト

 EdTechは未来の教育に多大なインパクトをもたらすと期待されています。テクノロジーを使うことで、学ぶ内容やそのペースがより個人に最適化され、学習者中心の教育が実現するでしょう。さらに、最新のEdTechソリューションは、学びが学校だけでなく、生涯を通じて継続される「学び続ける社会」の構築にも寄与します。また、グローバル競争の激化が進む中、日本発のEdTech企業が世界市場に進出し、教育の国際競争力を高める可能性も秘めています。これからの教育は、EdTechの支援を受けながらさらに多様でインクルーシブな方向へ進化していくでしょう。

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