Professional Studio 新規事業開発室 室長補佐/Senior Consultant 山川 峻広
Professional Studioで活躍中の人材にフォーカスを当てるインタビュー企画“Interactive dialogue”。今回は2023年上半期時点での最年少メンバー、山川さんにマイクを向けます。
学生時代から起業を考え、就活中もスタートアップやテック系ベンチャーを中心にアプローチしていた山川さん。しかし思いがけなく人材大手のJACリクルートメントと出会い、エージェントとしてキャリアを歩みはじめます。
落ち着いた語り口が印象的な山川さんに、ご自身のこれまでとこれからについて聞いてみました。
ビジネスプランの偶然の一致に驚く
ー山川さんはそもそも起業家志望で、就職活動はベンチャーやスタートアップを中心に見ていたそうですね
学生時代からぼんやりと起業を考えていました。家系が東北地方で育った街も「茨城県の日立」というものづくりが盛んな土地。親や兄弟、親類もみなものづくりに従事している環境だったんです。
その中で唯一僕が文系出身なのですが、自然にものづくりや事業づくりに憧れを持つようになりました。実際にベンチャーやスタートアップ数社から内定もいただいていましたし、ここに行こうと心に決めた会社もありました。
ーそれが国内大手人材サービスであるJACリクルートメントに心変わりします。いったいどんなことがあったんでしょうか?
自分としては就活はもう終わり、という気分だったのですが偶然の出会いで、JACリクルートメントの選考を受けることになりました。そこで出てきた人が“ミスターJAC”と呼ばれるほどの存在だったのですが、キャリア面談をしてくれたんですね。
自分が事業をつくりたいのはなぜなのか。そもそもどんな生い立ちなのか。そうやって対話しながら深掘りして、だったらこういうキャリアの歩み方がいいんじゃないかとビジョンを描いてくれました。
その上で、もしJACリクルートメントならこういった学びがあるよ、と提案までしてくれた。初対面でここまで深いコミュニケーションができる人がいるのか…と驚くと同時に、このスキルを自分のものにしたい、と一気に惹きつけられました。
ーたった一人の魅力づけでそれまでの志望や内定がひっくり返った…さすがJACリクルートメントですが、人材エージェントとしての仕事はいかがでしたか?
外資、IT、スタートアップを中心に幹部レイヤーの採用支援を手掛けてきました。もちろん順風満帆とはいかず、かなり苦戦を強いられましたね。
涙を流しながら喰らいついていったような3年半。若い分、失敗を沢山積みながら勝負するしかないと覚悟を決めたのと、周囲があまり注力しない企業にもしっかりと向き合うこと。いわば逆張りの発想でお客様を少しずつ増やしていきました。
正直、大きな成果は出せていないと思っています。ただ、このお客様は山川のお客様だよね、と周囲から認識されるようにはなったかなと。当時のお客様とはいまだにつながりがあります。そういった関係性が築けたのは財産ですね。
ーProfessional Studioとはどういう経緯で?
JACリクルートメントでエージェント業務に取り組む傍ら、やはり事業を創りたいという欲が出てきました。そこで土日や平日の夜にエンジニアに手伝ってもらいながらHRサービスをつくったり、VCや金融機関にピッチを行ったり。
ただ限られた時間ではいいものはつくりにくい。なかなか成果につながりませんでした。もちろん自分自身、事業をやるにあたっての度量も技量も人間力も足りていません。
そんなとき、Professional Studio第一号社員として活躍していたJACリクルートメント時代の先輩から声がかかります。まだ事業創りにチャレンジしているならXTechやProfessional Studioとコンタクト取ると面白いかもよ、と。それで代表の市川さんたちと飲みに行くことになったんです。
ー飲みが出会いのきっかけだったんですね
そうなんです。ただ、当時の僕は転職活動は考えていなかったし、レジュメもつくっていません。ごくフラットな状態で市川さんと話す中、自分が考えていた事業やコンセプトを市川さんも考えていることがわかった。いままさにつくっている最中です、と市川さんに伝えると「それProfessional Studioでやればいいじゃん」と。
そのまま飲み会は解散したのですが、もう一軒行きませんか、と市川さんをお誘いしました。そして二軒目で再来月からお世話になっていいですか、と僕のほうからアプローチ。その事業をやらせてほしいとお願いした形になります。
ーまさかの逆アプローチ!JACリクルートメントでの仕事スタイルと同様、逆張りに何か縁があるというか、山川さんの強みなのかもしれませんね
まさに今、その新規事業に取り組んでいます。
この事業は地方の抽象的、かつ複雑に絡み合っている採用課題を、都市圏で働く採用のプロが復業で支援をするというスキルシェアサービスになります。
僕のビジネスアイデアは若手がUターンする仕組みで地方へ還元するというもの。今取り組んでいる新規事業に似ている部分が非常に多かったんです。
正しい道を歩むことと、収益を上げること
ー急転直下のProfessional Studio入りですが、現時点での手応えはいかがですか?
ちょうど入社して1年が経ちますが、来てよかったと率直に思っています。やはり事業を自分の手で創りたいという思いが一番強いので、立ち上げを実際に経験できていることへの満足は非常に大きいです。
採用も集客もプロダクトも法務も、事業を伸ばすためならなんだってやります。大変だし苦労も多いですが、学びもあるし何より新鮮です。おまけにProfessional Studioにも親会社のXTechにも知見・経験ともに頼れる先輩が揃っていて、リソースとしてかなり恵まれているかと。
ー山川さんのキャリアを紐解くキーワードとして「人材」「地方」「事業づくり」がありますが、この3つが揃った感じですね
加えて現在の人材紹介のビジネスモデルに対する疑問においても、市川さんの考えや思いと一致しました。既存の人材紹介のビジネス構造上、年収や求人数が担保されやすい外資系企業や大手企業にリソースを集中させざるを得なくなります。でも、正直それらの企業の採用ってポジションを埋める目的が強いんです。
一方で人が採れなくてもっと困っているのはスタートアップや地方の中小企業。GDPの多くや今後の成長の兆しとなってくるのもスタートアップや地方だと考えています。
マクロで捉えたときにキャリア支援をフラットにできているのか、日本のためになっているのか、と。ここをどうにかしないとヤバいよな、と新卒3年目ぐらいから考えていたんですよね。そこも市川さんが描くビジョンと一致しました。
ー現時点でのやりがいはなんでしょうか?あるいは厳しさは
チャレンジに寛容な環境であることですね。やって失敗は全然OK。逆にやらないとか、モヤモヤ悩む時間をなくしなさいと言われています。
厳しさについては、僕らが目指す正しい道と利益を上げることの両立ですね。ラクしようとするなら既存プレイヤーと同じことをすれば効率がいいわけです。
でも既存モデルが上手くいっていないから採用課題が解消されていないわけで。そこを大きく変えて、正しい道に導くと同時にしっかりと収益があがるようにしなければなりません。
ー最年少とはいえかなり高い視座をお持ちですね
入社してからひたすら起業のシュミレーションをしているようなもので、自然と目線が上がっているのかもしれません。またエージェントや人材育成など弊社が向き合う課題は、基本的には経験年数や経歴に影響される部分も大きいと思います。
たとえば新卒でエージェントしか経験していない僕が話をするのと、事業会社で取締役まで経験していた人がエグゼクティブ・サーチやヘッドハンティングするのとでは大きな差がありますよね。
ただ、第三者としてフラットに情報やキャリアにおける気づきをお渡しするということにおいては努力で埋められる面があるんじゃないかと、実体験から感じています。
人生のエピソードに残るような経験をしたい
ー山川さんから見てProfessional Studioはどんな会社ですか?
おもてなし意識の強いメンバーで構成されていると感じますね。イメージでいうと一流ホテルや結婚式場のプランナーさんのようなホスピタリティのある集団。よく市川さんも口にしていますが、帝国ホテルのような一流を目指すカルチャーが息づいています。
さらにValueにもありますが、誠実である、という姿勢は全員が徹底しています。たとえば月末「これが決まれば売りが1本立つ」というときに、売りを立てることを最優先する人はいないし、それを咎める人もいない。
また、最近の若手の転職を見ていると情報感度が高くて、自分である程度判断や意思決定はできると思います。そういう時代にエージェントを使う価値ってどこにあるのか。それが「この人に自分のキャリアに寄り添ってもらいたい」と思われることだと考えているんです。それを体現していく風土が醸成されていると思います。
ーそんな中、山川さんが今ぶつかっている課題はどんなところにあるでしょうか?
大きくふたつあると思っています。まずひとつ目はシンプルに仲間が足りないこと。Professional Studioのような考え方を持つ人材業界の会社って少ないんですね。だからこの価値観に賛同してくれるメンバーに来てもらい、一緒に頑張っていきたい。頭数を揃えるのではなく、考え方に共感してくれる人材業界経験者を増やしたいところです。
もうひとつは事業を連続的に立ち上げていくには下からの突き上げが必要だと感じていて。思考のタガを外すことが重要だと捉えています。そしていま社内では僕が最年少。上の人ばかりで、しかもみなさん人材業界できちんと経験を積んできている方がほとんどです。そうなるとなかなか突飛な提案やおかしな発想は出にくいんですよね。
ー正攻法、あるいは成功体験が自由な発想の邪魔をするということですね
だから多様性や新しい視点が持てるように、もっと自由にガンガン突き上げていくような若手を増やしていくべきかなと。市川さん、秋元さん、遠藤さんといまの僕の上にいる人たちはみなさん受け入れてくれるので、ここは僕がとんでもないアイデアやいままでにない発想を出していくターンだなと思って。これから入社してくる若い世代のメンバーにもぜひそこは期待したいところですね。
とにかくいまはProfessional Studioで得難い機会に恵まれながら、自分の人生のエピソードに残るような経験をしたい。それは新規事業の成功かもしれないし、会社の上場かもしれません。人生を振り返ったときにいい思い出というか、ヒストリーに彩りを添えてくれるようなストーリーを描けたらと思っています。
ー本日はありがとうございました!
■PROFILE
山川 峻広 新規事業開発室 室長補佐/Senior Consultant
順天堂大学卒業後、新卒でJACリクルートメントに入社し、外資ITスタートアップ企業を中心に主にCXOを始めとした幹部レイヤーの採用支援に従事。特にSaaS/ソフトウェア領域に深い知見を有する。2022年8月より弊社へ参画。
Professional Studioは、スタートアップに特化したキャリア支援を行っています。エージェントはスタートアップ業界経験者のみ。キャリアや転職に関する相談をご希望される方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。