Professional Studio/Interactive dialogue Consultant 井村洋介
工業高専で学位を取得したにも関わらず、外食産業でキャリアをスタートさせた井村さん。その後もコンサルファームやスタートアップへの経営幹部紹介支援など、多彩な経歴を持つコンサルタントです。今回の“Interactive dialogue”は井村さんにお時間をいただき、これまでの経験で得たものと、その経験が現在の仕事にどう活かされているかについて、原体験や価値観も交えて語っていただきました。
どんなときも好奇心と人のつながりを大切に
ー井村さんはもともと理系ご出身とのことですが?
中学3年生の頃には「これからはITが伸びるんじゃないか」と感じていました。なので進学先は工業系の高専へ。電子情報工学科でプログラミングを勉強しました。さらに専攻科に進み、トータル7年間の履修で学位も取得しました。
ーそれなのにエンジニアの道に進まなかったのはなぜですか?
学生時代に1年間休学してアジアやアフリカを旅したんですが、その時に海外の人たちのハングリーさを目の当たりにしました。IT領域、特にプログラミングの分野では絶対にかなわないと思い知らされて。そのため、自分の場合はもっと上流とか、マネジメントする側で挑戦したいと思ったのが大きな理由です。
また、通っていた高専の専攻科は一人あたり10社から20社ほど求人が来るほどの人気ぶり。黙っていても就職先選びに苦労することはありませんでした。ただ僕はその流れにのって人生を決めてしまっていいのか、と抵抗感を覚えていて、学校を通さずに自力で就活をはじめることにしたんです。
ーそれで選んだのが外食産業だったと
上場企業のレストランチェーンでした。志望動機としてはマネジメントやPLなどの経験を早く積みたかったこと、その会社が海外立ち上げを計画していたこと、そして一緒に働きたいと思える同期がいたことです。現場からキャリアをスタートさせて、エリアマネージャーに。さらにある程度成果が出せるようになったタイミングでインドネシアへの出店の立ち上げを志願しました。いま思い返してもいい経験ができましたね。
ー海外で働きたいなら他にも選択肢があったのでは?
確かに商社やすでに海外拠点を持つ企業はたくさんあります。ただ僕は出来上がった拠点に配属されるのではなく、ゼロベースから海外に拠点を立ち上げることに挑戦したいと思ったんです。結果的に多くのものを得ることができて、選んだ道は正解だったと満足しています。
ー次に日系のコンサルファームに転職しますよね
20代は外食産業でやりたいことをやりきりました。では次にどうするかと考えたとき、上流のコンサルティングを経験してみたいと思ったんです。そんなとき出会ったのが工数単価ではなく成果報酬という画期的なビジネスモデルを展開する会社でした。
仕事内容はコストマネジメントといわれるもので、電気やガス、印刷通信費などの間接材におけるデータをもとにコンサルティングを行いました。クライアントの売上を直接的には伸ばすことができなくとも、コストを下げて利益を出すことはできます。しかもダイレクトに利益が増えることで経営面にも余裕が生まれ、新しい投資機会を生み出すことにも繋がります。間接的ではありながら可能性を提供できるわけです。
ここではクライアントワークの基礎をしっかりと学びました。またコンサルティングファームならではの働き方も身につきました。なんといっても納期がありますし、成功報酬ですから成果にもシビアにならざるを得ません。そのあたり1社目とは違った手応えや醍醐味を味わえました。
ー3社目はProfessional Studioに近い事業領域ですね
スタートアップ・ベンチャー企業の幹部人材に特化した紹介事業を手掛ける企業です。ここでは業務委託支援の新規事業立ち上げに携わることになりました。非常に可能性の高い領域の事業だったのですが収益化の壁は高く、半年ほどでやむなく事業縮小に。そのまま人材紹介事業へ異動となってしまいました。ところがこれがよかった。やはりHR領域においては採用が一丁目一番地です。やればやるほどその面白さ、奥深さに惹きつけられ、いつの間にか紹介事業の魅力にどっぷりハマっていましたね。
エージェントとして生き残るために価値を出し続ける
ーProfessional Studioへはどういった経緯でジョインを?
きっかけは当時ご支援していた企業の役員の方からのご紹介でした。面白い会社があるからつながってみれば?と。以前からProfessional Studioの名前だけは知っていたので、これも何かのご縁、と接点を持つようになりました。最初のうちは世界観など共通する点があまりにも多く、スタートアップ界隈を盛り上げる同志だと親近感を覚えていましたね。
Professional Studioのいいところはベンチャーキャピタルとのリレーションが強固であることでした。また企業側やマーケットの情報が豊富な点もとても魅力的で、もともとマーケットの目線を持った上でのキャリア支援こそ本来のご支援だと思っていたので、それができることに魅力を感じました。
加えて、実務経験が豊富で高い成果を出している人たちと一緒に切磋琢磨できるのは、エージェント業に携わる者としてのレベルを上げていけるのではないかとも思いました。気づけばどんどん惹かれていき、最終的にジョインさせていただくことになったわけです。
ー現在の仕事について具体的に教えていただけますか?
企業側と求職者側の両面でコンサルティングを行っています。複数社ある担当企業からアップデートされた情報や求人案件をキャッチしてチーム内で共有。同時に求職者をスカウトやリファラル、イベントなどさまざまなチャネルから集め、面談を通して企業にご紹介します。
またベンチャーキャピタルを経由して転職先の可能性を拡げる提案も。投資先からいい人がいれば…と相談されているケースが結構あるんですね。ベンチャーキャピタルからすれば投資先をアトラクトできますし、求職者にとってはマーケットに出回っていない貴重な案件に出会えるという利点があります。
ーそれこそProfessional Studioならではの強みを活かした仕事ですよね
ますます競争が激化するであろう人材紹介領域において僕らが取り組むべきことは、企業にとっても求職者にとっても本当の価値を提供し続けることだと思うんです。
Professional Studioは国内の主要ベンチャーキャピタルとの密な連携による業界への独自の深いネットワークを有しているというユニークなポジションを確立しています。つまり、より本質的な価値提供がしやすく、かつ競合優位性にも優れているのです。
ー井村さん個人としての強みはどのようなものが?
行動力ではないでしょうか。もともと飲食をやっていたこともあり、現場を大事にしたいタイプなんです。その現場感をつかむために行動する。直接会って打ち合わせしたいとか、対面コミュニケーションを大事にするとか、そういう点が最大の強みだと思います。
あとはこれまでのキャリアからも見てとれるように、HR領域以外を経験してきていること。ちょっと複雑な経歴だからこそ、同じようにジグザグなキャリアの人を見ても共感できるし、あえて枠を外した提案ができる。これも強みかもしれません。
ー求職者と向き合うときに大事にしていることは?
あくまで中長期で関わりたいということです。5年後、10年後に「あのときのキャリアの選択肢はどうだった?」と飲みながら求職者さんと振り返りたいですね。ロマンとソロバンのバランスはありますが、もし僕が担当している求職者さんが別のエージェント経由で、僕から見てもいいなと思える会社に選考が進んでいるとしたら、そこは後押ししたいし。その求職者さんにとってのベストな選択であれば応援したいんですよね。
もちろんその逆に、おすすめできない選択を求職者さんがしそうな時には、嫌われてもいいからしっかりと進言するようにしています。それは僕の正しさを証明したいのではなく、僕が正しくなかったことになるぐらい選択先で頑張っていただきたいから。転職先を決めるという、人生の中でもとても大切な決断を求職者さんにとって満足いくものにしてほしい。その想いで求職者さんと向き合うことを大事にしています。
採用だけではなくHRに関わる全てを支援したい
ーProfessional Studioの働く環境について教えてください
少数精鋭ということもありますが、それぞれの個が自立しています。誰かに言われなくてもやるべきことをやるタイプには非常に働きやすい環境ではないかと思います。また、良くも悪くも年齢が高めなので(笑)落ち着いた、大人のコミュニケーションが取れるところは個人的にも気に入っていますね。
仕事の進め方もそれぞれの進捗を共有し、みんなで把握しています。その過程で意見をもらえたりアドバイスもいただけるので、自立はしていても孤立はしない。個を尊重しながらチームで戦うスタイルがProfessional Studioの特徴かなと思います。
ー井村さんがProfessional Studioで働くいちばんの理由ってなんですか?
顧客に対して価値を出しやすい点でしょうか。求職者に対しては企業情報だけでなくマーケットの情報やベンチャーキャピタルとのネットワーク含めて、価値の高いサービスを提供できていると思っています。
また企業側に向けても今後は採用を起点としてHR領域におけるあらゆる支援ができる世界観を構築していく予定です。単なるエージェントではなく、HRのスペシャリストとして伴走できる存在を目指せる。これが働く上での最大の魅力だと思います。
ーこれから大きくなっていく過程を、いま楽しんでいるわけですね
人材紹介市場できちんと高い価値を創出できるプレイヤーは、そこまで多くないと認識しています。特にベンチャー、スタートアップマーケットにおいて一気通貫でHRの総合支援カンパニーを目指しているのはProfessional Studioぐらいではないでしょうか。それをひとつずつ作っていくプロセスを体験できるのはまさに今です。これがすごく面白いと思う。
ージョインするにはいちばんいいタイミングかも
もちろん成功するかどうかは僕もわかりません。山登りに例えると山頂は見えていないし、霧の中を歩いている感覚です。ただこれは誰もが経験できるものではありませんし、少なくとも一人ではない。みんなで手を組んで、より価値のあるサービスを提供しているんだという自信を持って歩んでいけば、いずれは頂上にたどり着けるんじゃないかと思います。
ー最後に、新しく仲間になる方にメッセージを
一緒に働く人には、挑戦する人を応援したい、というマインドを持っていてほしいですね。同時に自分自身も挑戦者であってほしいと思います。明確なカタチになっていなくてもいいから、自分の中にやりたいことを持っている人がいいですね。
あとはやはりベンチャーが好きな人に来てほしいです。スタートアップやベンチャーが新しいプロダクトやサービス、ビジネスをつくっていく。その営みを応援したいとか、ジブンゴトにできるとか、その会社のことを大事に思えるとか。もっといえば自分が入りたくなるような会社を一社でも多く増やしてくれる人と一緒に働きたいです。
ー本日はありがとうございました!
■PROFILE
井村 洋介 Consultant
高専で学位を取得し、新卒で上場企業の外食産業でエリア統括と海外立ち上げの経験を積み、2社目では日系上場コンサルティングファームで“成果報酬”という革新的な経営コンサルティングに従事。その後、スタートアップ・ベンチャー企業の幹部人材に特化したBNGパートナーズに参加し、業務委託の支援とRA/CAの両面でコンサルタントとして経営幹部候補の紹介支援に従事。2024年1月、弊社に参画。