世界で愛されるプロダクトを、日本から──Twitter Japan、レゴジャパンを経験したマーケターが、PetTechスタートアップで描くグローバルなビジョン【株式会社RABO 杉本杏菜 氏】

I&S BBDOでキャリアをスタートさせ、Twitter Japanの黎明期から広告事業を支えた後、レゴジャパンでブランドマーケティングを牽引した杉本杏菜氏。輝かしいキャリアを歩んできた彼女が、次の舞台に選んだのは“猫様”専用のIoTサービス『Catlog』を展開する株式会社RABOでした。外資系畑で磨いてきたスキルや価値観は、国内スタートアップというステージでどのように輝かせることができるのか。杉本氏のこれまでの軌跡を辿りつつ、彼女らしいキャリアの広げ方について語っていただきました。

【Profile】

株式会社RABO
Marketing
杉本杏菜 氏

新卒でI&S BBDOに入社、消費財メーカーを担当する。2012年からTwitter Japanへ。広告運用面の営業および管理職を経て、マーケティングを担当する。2019年からはレゴジャパンでブランドマネージャーとして活躍。2024年よりRABOにてマーケティングに従事する。幼少期より動物たちと育ってきたこともあり、大の猫様好き。実家の愛猫しまじろうにもCatlogを装着し、日々の行動をwatchしている。

目次

黎明期のTwitterで得た“カオスを形にする力”

――まずはじめに、RABOの事業内容について、そのユニークさも含めて教えていただけますか?

RABOは首輪型デバイスとアプリによる猫様専用のIoTサービス『Catlog(キャトログ)』を展開するペットテック・スタートアップです。2019年のローンチ以降、多くのプロダクトアップデートを重ねることで睡眠スコアなどQOLに関する記録をはじめ、体温や呼吸数などバイタルサインに類するデータも取得可能になっています。

そしていよいよCatlogの犬専用版サービス『Pawlinq(パウリンク)』が2026年2月24日にリリースされました。大切な家族と1秒でも長く一緒にいられる世界を目指すRABOの新しい挑戦がはじまったところです。

――ありがとうございます。ではRABOにジョインするまでのキャリアストーリーをお聞かせ願えますか?

2011年にI&S BBDOという外資系の広告代理店に新卒入社しました。大学時代からコミュニケーションに関わる仕事に興味があったのと、就活中に代理店のクリエイターの方々からお話を伺っていく中で広告の世界に惹かれていったんです。現場では営業職に配属され、消費財メーカー様を担当させていただきました。

――代理店時代に学んだことは?

社会人としての基礎、そしてお客様との会話の機微ですね。期間としては1年ほどと短かったのですが、未だに当時の先輩方と交流があるほど。私にとってはビジネスパーソンとして、また人間としても大切な土台を作っていただいた会社です。

――そこから、まだ社員20名ほどだったTwitter Japanへ。

当時のTwitterは、日本ではまだインターネットに敏感な層が使っているプラットフォームでした。しかし2011年の震災時に情報インフラとしての可能性を示し、私自身も就職活動の情報収集に活用して、その面白さを肌で感じていたんです。「このタイミングでTwitterのグロースに参画できる機会は二度とない」と、先輩にも背中を押していただき転職を決めました。

――当時の社内の雰囲気は?

現在の『X』からは想像もつかないほど、絵に描いたようなスタートアップでした(笑)。当時のオフィスは赤坂にあったのですが、私が入社する直前は渋谷の小さな貸しオフィスだったそうです。大きな発注が決まるとオフィスで銅鑼(どら)を鳴らして全員で盛り上がる。学園祭の前夜祭がずっと続いているような、熱量の高い日々を送っていました。

――どのような役割を担っていたのですか?

最初は運用型広告のアカウント営業です。2年ほどプレイヤーを務めた後、マネージャーとしてチームのマネジメントを経験しました。2017年からの2年間は、B2Bマーケティングの部門へ。Twitterというプラットフォームの価値を、広告主様や代理店様に伝えるマーケティングを担当していました。

――7年間で得た、最大の資産は何でしょう。

「プロダクトと市場が共に成長していく爆発的な体験」です。最初こそ知る人ぞ知るプラットフォームだったのが徐々にユーザーにもブランドにも愛され、社会のインフラになっていく。その過程でスピード感を持ってカオスを形にしていく力、そしてマーケティングを通じて人の心を動かす醍醐味を学びました。

レゴ社で向き合った有形プロダクトの難しさと喜び

――その後、レゴ社へ転身された理由は?

Twitterでのマーケティングが本当に楽しくて、もっとこの領域を深めたいと思ったんです。その際、2つの軸がありました。一つはインターネット上のサービスだけでなく「形のある物」を作っている会社で経験を積むこと。もう一つはB2Bだけでなく、B2Cのマーケティングに挑戦することです。

――レゴ社との出会いは?

Twitter時代の元上司からのリファラルでした。LEGOというブランドは世界的に巨大ですが、実は日本法人は30名にも満たない少数精鋭の組織。「きっと杏菜さんに合うと思うよ」という言葉を信じて飛び込みました。そしてそのひと言は間違っていなかったですね。

――どのようなミッションを?

ブランドマネージャーとして、担当するブランドの認知拡大と売上最大化を担いました。私が担当したのは、1.5歳から3歳の未就学児向けの「レゴデュプロ」、4歳以上のこども達に向けた「レゴフレンズ」や「レゴニンジャゴー」、そして大人向けの「大人レゴ」。お判りいただけると思いますが、非常に幅の広いターゲット層を対象にしていたわけです。

――ターゲットが異なると、戦略も全く変わるように思えるのですが…

おっしゃる通り、そこが一番のチャレンジでした。「レゴブロックは男の子の遊び」という先入観をお持ちの層に対し、いかに「これは自分のためのものだ」と思ってもらうか。コロナ禍も重なり実店舗での体験が制限される中で、YouTubeでの遊び方の提案やECでの見せ方など、試行錯誤の連続でした。

――レゴ社時代、特に印象に残っているエピソードはありますか。

レゴ社ではクリスマスの時期に『サンタヘルパー』としてレゴストアの店頭に立って販売のサポートをしていました。そこでお孫さんのために真剣にプレゼントを選ぶおじいちゃんやおばあちゃん、レゴブロックを抱きしめて喜ぶ子供たちの姿を目の当たりにしました。自分が手がけた戦略の先に、こんなにも具体的な笑顔がある。バリューチェーンの末端まで繋がっている実感は、デジタル領域では味わえなかった有形プロダクトならではの宝物でした。

――マーケティングのスキルセットはどう進化しましたか?

何よりも需給管理の視点を得られたことが大きいです。デジタル広告は需要があればすぐに配信を増やせますが、リアルな製品はそうはいきません。在庫をどう店舗まで運び、需要をどう作り出すか。SCM(サプライチェーン・マネジメント)とマーケティングを連動させる視点は、現在の仕事にも大きく活かされています。

Professional Studioが導いた「日本発・世界」への挑戦

――順風満帆な外資キャリアから、なぜ日本のスタートアップを志したのですか?

ある一定水準のキャリアを重ねたところで、これまでの経験を還元しつつ、もう一度スタートアップのスピード感の中で「勝負」したいと思ったんです。また、これまでずっと外資系企業で働いてきたので、今度は日本の素晴らしいプロダクトを世界へ展開していく、という挑戦に自分のスキルを投下したいと考えるようにもなりました。

――転職活動はどのように進めましたか?

実は、これまでエージェントを利用したことがなかったんです。リファラルやLinkedInでの直接採用ばかりで。でも、日本のスタートアップにターゲットを絞った時、自分の知らない企業があまりに多いことに気づいたんです。ここはひとりで動くよりも「プロの知見を借りよう」と転職支援サービスに登録。そこから声をかけてくれたのがProfessional Studioの大庭さんでした。

――大庭さんの印象は?

とにかく話しやすいというのが第一印象ですね。大庭さんは、私のこれまでの“ITプラットフォーム”と“コンシューマー”の両方の経験を高く評価してくれました。単なる求人紹介ではなく「杉本さんのこの強みなら、こういうエンタメやIP要素のある会社が合うのでは?」と私の志向性を深く理解した提案ばかりで。本当に頼りになるなあ、と思いました。

――そこで紹介されたのが、株式会社RABOだったのですね。

はい。ご紹介していただく直前に「猫、飼ったことありますか?」と聞かれたのをいまでも覚えています(笑)。偶然にも私は実家でずっと動物と暮らしてきて、動物達が大好き。RABOが掲げる「すべては、猫様のために。」というミッション、そして伊豫代表の熱意とプロダクトの質の高さに、一瞬で惹き込まれました。

――選考過程での印象はどうでしたか?

ワークキャンプや面接が何度かありましたが、回数を重ねるごとに「ここしかない」という確信が強まりました。大庭さんからは、面接前の準備サポートだけでなく「次に会う人はこういうバックグラウンドで、こんな視点を大切にしている」といった具体的なインプットをいただけたので、ミスマッチもなく非常にスムーズな対話ができました。

――他の企業と迷うことはなかった?

魅力的な企業をいくつかご紹介いただいたのですが、選考を進めたのはRABO一社でした。言葉を選ばずに言うとまさしく一本釣りされた感覚です(笑)。自分のマーケターとしての感性とプロダクトへの共感、そして「日本からグローバルへ」という志。すべてがピタリと一致したんです。もうここしかないな、と。

グローバルマーケティングの最前線と、未来へのビジョン

――入社して1年半。現在はどのような業務を?

RABOのマーケティング担当は私を含めて2名。デジタル広告の運用からクリエイティブの企画、SNS運用、そして海外展開のオペレーションまで、文字通り「ブランドの成長に関わるあらゆること」をやっています。現在は米国とオーストラリアでの展開に注力しており、現地の認証取得や輸出入の調整、Amazonでの販売設定なども私が行っています。

――入社初日にアメリカ出張だったとか。

そうなんです!初日の仕事はアメリカで開催される猫様の祭典『CatCon』への出張でした。でも、そういう「現場に飛び込む」スタイルは私に合っているようで。思い返せば前職も前々職も初日に海外出張や研修があったので、もはや運命的なものを感じましたね。

――外資での経験は今のスタートアップ環境でどう生きていますか?

特にUSのパートナー企業とのコミュニケーションですね。米国の文化やいわゆる“お作法”を理解した上で、いかにこちらの意図を正確に伝え、期待する成果を引き出すか。外資系で10年以上培ってきたグローバルスタンダードの対話力は、これからRABOが世界へ羽ばたくための武器になると自負しています。

――RABOで味わえるスタートアップならではの醍醐味は?

意思決定のスピード感、そして「点と点が線で繋がる」感覚ですね。これは特にRABOで強く感じます。というのも、マーケティング戦略を立ててクリエイティブを作り、実際にプロダクトが動き、ユーザーの手に届くまでの全ての工程をインハウスのエンジニアやデザイナーと膝を突き合わせて進められるからです。脳の筋肉が日々鍛えられている実感がありますし、何より仕事中に可愛い猫様やわんちゃんの動画や画像を見続けられるのは、最高に幸せです(笑)。

――杉本さんの今後のキャリアビジョンを教えてください。

私は「ここに行きたい」と高い目標を掲げるより、目の前にある領域を少しずつ、着実に広げていくタイプです。現在はプロダクト開発に近い場所でマーケティングを深めるという、今までにない学びを得ています。まずはRABOという会社を、そしてCatlogやPawlinqというプロダクトを世界中で愛されるものにすること。その過程で、自分にしかできない「グローバル×マーケティング×プロダクト」の強みを磨き続けていきたいです。

――最後に、キャリアに悩む求職者の方へメッセージを。

これはあくまで私の場合、という前提のもとでのコメントになるのですが…「凡事徹底」に尽きると思います。日々の仕事に誠実に向き合い、実績を積み重ねる。それが信頼に繋がり、リファラルや素晴らしい縁を呼び寄せてくれる。そして、もし自分一人では見つけられないチャンスがあるなら、Professional Studioさんのような伴走者の力を借りてみてほしいと思います。自分では気づかなかった「強みの広げ方」がきっと見つかるはずですから。


Twitter、LEGOというグローバルブランドで確固たるキャリアを築いた杉本氏。彼女がRABOで見つけたのは、自身の経験を「日本発のプロダクト」に注ぎ込み、未知の領域へと強みを横展開していく、エキサイティングな挑戦の場でした。

優秀な人材は、単に高い報酬や役職だけでなく、自分の魂を削ってでも貢献したいと思える“プロダクト”と、それを共に育てる“環境”を求めているもの。

Professional Studioでは杉本氏のようなハイクラス層が持つ「志」を解像度高く理解し、企業のミッションと深く結びつけることで、単なるマッチングを超えた「事業成長の核」となる採用を創出していきます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

『Startup Frontier』を運営するProfessional Studioは、スタートアップに特化したキャリア支援を行っています。エージェントはスタートアップ業界経験者のみ。キャリアや転職に関する相談をご希望される方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

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