食品関連のベンチャー（フードテックベンチャー）という言葉はよく聞くけど、実際どんな事業をやっているかわからないという方も多いのではないでしょうか？フードロスの削減やデリバリー需要の高まりを背景に食品事業を始めるベンチャー企業が増えています。
そこで今回は、食品系ベンチャーの取り組んでいる内容や仕事内容について解説します。本記事をお読みいただくことで、食品ベンチャーにジョインするメリットがわかるので、是非とも最後までお読みください。
食品ベンチャーが取り組んでいる分野とは？
近年、食品ベンチャーは多様な分野で革新を進めています。アグリテックやフードロス、デリバリーといった様々な領域が存在します。ここでは各分野について詳しく解説します。
アグリテック領域
アグリテック領域は、農業とテクノロジーを融合させた新しいビジネスモデルを提供する分野です。
近年、農業の効率化や生産性向上が求められる中で、データ解析やIoT技術を活用したスマート農業が注目を集めています。
また、アグリテック企業は、持続可能な農業を実現するための取り組みも行っています。例えば、環境に配慮した農薬の開発や、土壌の健康を保つための技術革新が進められています。
フードロス領域
フードロスの削減は、食品ベンチャーが特に注力している分野の一つです。フードロスの問題に対処するため、ベンチャー企業はさまざまな革新的なアプローチを採用しています。
例えば、賞味期限が近い食品を特別価格で販売するプラットフォームや、余剰食材を活用した新たな商品開発などが挙げられます。
また、フードロスを減らすための教育や啓発活動も重要な取り組みの一環です。消費者に対してフードロスの現状やその影響を伝えることで、意識を高め、行動を促すことが求められています。
デリバリー領域
デリバリー領域は、近年のライフスタイルの変化に伴い、急速に成長している分野の一つです。
特に、コロナ禍以降、外出を控える人々が増えたことで、食品のデリバリーサービスの需要が高まりました。この流れを受けて、多くの食品ベンチャーが新たなビジネスモデルを構築し、消費者に便利で迅速なサービスを提供しています。
デリバリー領域では、単に食材を届けるだけでなく、健康志向や特定のニーズに応じたメニューの提供、さらには地域の特産品を活用したサービスなど、多様なアプローチが見られます。
代替品領域
食品ベンチャーが注目する代替品領域は、従来の食品に代わる新しい選択肢を提供することを目的としています。特に、植物由来の肉や乳製品の代替品は、環境への配慮や健康志向の高まりから需要が急増しています。
また、代替品の開発は、食品業界におけるイノベーションの一環としても位置づけられています。新しい技術や素材を活用することで、従来の食品と同等以上の味や食感を実現することが可能となり、消費者の選択肢を広げています。
食品ベンチャーにジョインする魅力・メリット
食品ベンチャーに参画することには、次にあげるような多くのメリットがあります。
- 社会課題の解決に繋がる
- 自分に身近な産業なので手触り感がある
- 大手メーカーと異なり、実力主義なので結果を出せば評価されやすい
ここでは、各メリットについて解説します。
社会課題の解決に繋がる
食品ベンチャーにジョインする大きな魅力の一つは、社会課題の解決に直接貢献できる点です。
特に、フードロスや健康問題、環境への配慮など、現代社会が抱えるさまざまな課題に対して、食品ベンチャーは革新的なアプローチを提供しています。
例えば、フードロス削減を目指す企業は、余剰食品を有効活用する仕組みを構築し、廃棄物を減らすことに貢献しています。
また、健康志向の高まりに応じて、栄養価の高い食品や代替品を開発することで、消費者の選択肢を広げ、健康的なライフスタイルを促進しています。
自分に身近な産業なので手触り感がある
食品ベンチャーの魅力の一つは、私たちの日常生活に非常に密接に関連している点です。
食べ物は誰にとっても欠かせないものであり、私たちが日々口にするものがどのように作られ、流通しているのかを知ることができるのは大きな魅力です。
このような環境で働くことで、自分の手がけた商品が実際に消費者の手に渡り、喜ばれる姿を目の当たりにすることができます。自分の仕事が社会に与える影響を実感できるため、やりがいを感じやすいのも特徴です。
実力主義なので結果を出せば評価されやすい
大手メーカーと比較した際の食品ベンチャーの魅力の一つは、実力主義の文化が根付いている点です。多くの大手メーカー企業では、年功序列や形式的な評価基準にとらわれず、個々の成果や貢献度に基づいて評価が行われます。
また、成果を上げればその分報酬や昇進に直結するため、モチベーションを高く保ちながら働くことができます。特に、食品業界は消費者のニーズが多様化しているため、革新的なアイデアや実行力が求められます。
自分のアイデアが実際に市場で評価される瞬間を体験できることは、他の業界では得難い貴重な経験です。
このように、実力が正当に評価される環境は、食品ベンチャーで働く大きな魅力の一つと言えるでしょう。
食品ベンチャーでの主な仕事内容
食品ベンチャーでは、さまざまな職種が存在し、それぞれが重要な役割を果たしています。以下に示す職種は、食品業界の革新に寄与する重要な要素となっています。
営業
食品ベンチャーにおける営業は、単なる商品販売にとどまらず、顧客との信頼関係を築く重要な役割を担っています。
特に、食品業界は消費者のニーズが多様化しているため、営業担当者は市場のトレンドを敏感にキャッチし、顧客に最適な提案を行う必要があります。
例えば、新しい健康食品や代替品の導入に際しては、消費者の健康志向や環境意識を考慮したアプローチが求められます。
また、食品ベンチャーでは、営業チームがマーケティングや商品開発と密に連携することが多く、顧客からのフィードバックを直接受け取ることで、製品改善や新商品のアイデアに繋げることができます。
エンジニア
食品ベンチャーにおけるエンジニアの役割は多岐にわたります。
特に、製品開発やプロセスの最適化において、技術的な知識と創造力が求められます。
例えば、食品の製造工程を効率化するための自動化システムの設計や、データ分析を通じて消費者のニーズを把握し、新しい商品開発に活かすことが重要です。
また、アプリやウェブサービスの開発もエンジニアの重要な仕事です。デリバリーサービスやフードロス削減のためのプラットフォームを構築することで、ユーザーにとって使いやすい体験を提供し、企業の成長に寄与します。
新規事業開発
食品ベンチャーにおける新規事業開発は、企業の成長を促進する重要な役割を担っています。この分野では、既存のビジネスモデルを見直し、新たな市場ニーズに応える商品やサービスを創出することが求められます。
特に、消費者の健康志向や環境意識の高まりに応じた商品開発が進められており、これにより新たなビジネスチャンスが生まれています。
新規事業開発のプロセスには、市場調査や競合分析、プロトタイプの作成、フィードバックの収集などが含まれます。これらのステップを通じて、実際の消費者の声を反映させた商品を市場に投入することが可能となります。
国内で伸びている食品ベンチャー5選
近年、国内の食品ベンチャー企業は急速に成長を遂げています。ここでは、注目すべき5つの食品ベンチャーを紹介します。
ベースフード株式会社
ベースフード株式会社は、栄養価の高い食品を手軽に摂取できるようにすることを目指した食品ベンチャーです。主力商品である「ベースフード」は、主にパスタやパンなどの主食を中心に、必要な栄養素をバランスよく含んだ製品を提供しています。
また、ベースフードはフードロスの削減にも取り組んでおり、製品の製造過程で発生する廃棄物を最小限に抑える工夫をしています。
さらに、オンライン販売を通じて、消費者に直接商品を届けることで、流通コストを削減し、より手頃な価格で提供することを実現しています。
株式会社パンフォーユー
株式会社パンフォーユーは、健康志向の高まりを受けて、特に「パン」に特化した食品ベンチャーです。彼らの主な特徴は、栄養価の高い食材を使用し、手軽に食べられるパンを提供することにあります。例えば、グルテンフリーや低糖質のパンなど、消費者のニーズに応じた多様な商品ラインナップを展開しています。
また、パンフォーユーは、製品の品質だけでなく、持続可能な製造プロセスにも力を入れています。地元の農家と連携し、旬の食材を使用することで、フードロスの削減にも貢献しています。
さらに、オンライン販売を強化し、忙しい現代人に向けたデリバリーサービスを提供することで、利便性を追求しています。
参考: 株式会社パンフォーユー|新しいパン経済圏を作り、地域経済に貢献する
株式会社MiL
株式会社MiLは、高品質にこだわる乳幼児フードブランド「the kindest」を提供する食品スタートアップです。
厳選された国産食材を用い、小児科、管理栄養士、一流シェフが共同開発した手作りベビーフードを提供しています。2019年4月のローンチ以降、販売実績500,000食を突破し、好評を得ています。
株式会社COMP
株式会社COMPは、必要栄養素を手軽にバランスよく摂取できる食品「COMP」シリーズの開発・販売に取り組むスタートアップです。
COMPの最大の特徴は、細部に至る厳密な栄養設計、また特定の製品タイプにとらわれない製品の開発力にあります。
COMP初のフレーバー製品「COMP Flavor」シリーズであれば、栄養価値を高める各種成分の含有量についても先行研究を参考にした上で設定が行われています。
参考: COMP | 公式サイト
株式会社ICHIGO
株式会社ICHIGOは、お菓子のサブスクリプションサービスを展開するベンチャー企業です。
日本の文化を世界へ発信すべく、トレンドやシーズンに合わせたテーマでアイテムをチョイスし、世界へ届けています。2015年に設立してから、わずか6年で業界TOP、海外顧客への累計配送ボックス数は350万個以上、顧客数560万人を突破し、成長し続けています。
食品ベンチャー企業に関するよくある質問
Q1: 食品ベンチャーが取り組んでいる分野は？
食品ベンチャーは多岐にわたる分野で活動しています。特にアグリテック、フードロス、デリバリーなどの領域が注目されています。
Q2: 食品ベンチャーにジョインする魅力は？
食品ベンチャーに参加する魅力は多岐にわたります。社会課題の解決に貢献できたり、業務に対する手触り感が強いといったやりがいを感じやすいのも特徴です。さらに、実力主義の文化が根付いているため、キャリアアップのチャンスも豊富です。
Q3: 食品ベンチャーでの主な仕事内容は？
食品ベンチャーでは、さまざまな職種が存在します。営業職やエンジニア、新規事業開発といった職種は、食品業界の革新を促進するために欠かせない存在です。
まとめ
食品ベンチャーは、現代の社会課題に対する解決策を提供しながら、急成長を遂げている分野です。アグリテックやフードロス、デリバリー、代替品といった多様な領域での取り組みは、私たちの生活に直接的な影響を与えています。
これらの企業にジョインすることで、社会貢献を実感しながら、自身のキャリアを築くことが可能です。今後も注目される食品ベンチャーの動向を追い、興味を持つ方々が新たな挑戦をすることを期待しています。
