ベンチャー/スタートアップが上場するメリットとは?上場時に見られる観点や頼れる会社を解説!

ベンチャー/スタートアップ企業で事業を営んでいる方で、上場を目指す方は多いはずです。しかしながら上場するメリットについて適切に理解している方は意外と少ないはずです。

そこで本記事では、上場メリットや上場時に見られているポイントについて解説します。
本記事をお読みいただくことで、上場のメリットを理解し、自社が上場すべきかの意思決定をできるようになるはずですので、是非とも最後までお読みください。

目次

上場するメリットとは

上場は企業にとって大きな転機となるイベントですが、そのメリットを正しく理解することが重要です。ここでは、各メリットについて解説します。

社会的信用度が高まる

上場することの最大のメリットの一つは、企業の社会的信用度が大幅に向上することです。

上場企業は、厳しい審査を経て市場に出るため、一般的に信頼性が高いと見なされます。この信用度の向上は、取引先や顧客、投資家に対しても大きな影響を与えます。

具体的には、上場企業は透明性の高い経営を求められるため、財務情報や業績を定期的に開示する必要があります。このような情報公開は、企業の信頼性を高め、取引先との関係構築にも寄与します。

また、上場によって得られるブランド力は、顧客の選択肢の中で優位に立つ要因となり、競争力を強化することにもつながります。

知名度が上がる

上場することの大きなメリットの一つは、企業の知名度が飛躍的に向上する点です。

上場企業は、証券取引所に登録されることで、一般の投資家やメディアに広く認知されるようになります。この結果、企業のブランド力が強化され、顧客や取引先からの信頼も高まります。

特に、上場直後はメディアの注目を集めることが多く、企業の活動や製品に対する関心が高まります。これにより、新たな顧客を獲得するチャンスが増え、売上の向上にもつながる可能性があります。

資金調達がしやすくなる

上場することの大きなメリットの一つは、資金調達がしやすくなる点です。

上場企業は、一般の投資家から株式を通じて資金を調達できるため、資金調達の選択肢が大幅に広がります。これにより、事業拡大や新規プロジェクトの立ち上げに必要な資金を迅速に確保することが可能になります。

また、上場企業は金融機関からの信用も高まるため、銀行融資や社債発行などの資金調達手段も利用しやすくなります。上場によって得られる透明性や信頼性は、投資家や金融機関にとって大きな安心材料となり、結果としてより有利な条件での資金調達が実現します。

従業員の確保がしやすくなる

上場することによって、企業は従業員の確保が容易になるという大きなメリットがあります。

上場企業は一般的に社会的な信用度が高く、安定した経営基盤を持っていると見なされるため、求職者にとって魅力的な選択肢となります。特に優秀な人材を確保するためには、企業の信頼性や成長性が重要な要素となります。

また、上場企業は株式を通じて従業員に対するインセンティブを提供することが可能です。ストックオプション制度などを導入することで、従業員は企業の成長に直接的に関与し、その成果を享受することができます。

上場における市場の区分とは

上場を目指す企業にとって、市場の区分を理解することは非常に重要です。日本の株式市場には、企業の成長段階や特性に応じた複数の市場が存在し、それぞれに異なる要件や特徴があります。これらの市場は、企業が上場する際の戦略や目標に大きな影響を与えるため、しっかりと把握しておく必要があります。

プライム市場

プライム市場は、東京証券取引所が設けた市場区分の一つで、上場企業にとって最も高いステータスを持つ市場です。

この市場に上場するためには、厳しい基準をクリアする必要がありますが、その分、企業にとっては多くのメリットが期待できます。

まず、プライム市場に上場することで、企業の社会的信用度が大幅に向上します。これは、投資家や取引先からの信頼を得やすくなることを意味し、ビジネスチャンスの拡大につながります。

また、プライム市場に上場している企業は、一般的に安定した収益基盤を持っていると見なされるため、金融機関からの融資や資金調達もスムーズに行えるようになります。

さらに、プライム市場に上場することで、企業の知名度も向上します。メディアや投資家の注目を集めることで、ブランド力が強化され、新たな顧客を獲得するチャンスが増えます。

スタンダード市場

スタンダード市場は、上場企業が一定の基準を満たすことで取引を行うことができる市場の一つです。

この市場は、主に中堅企業や成長企業を対象としており、上場を目指す企業にとっては非常に魅力的な選択肢となります。スタンダード市場に上場することで、企業はより多くの投資家にアクセスできるようになり、資金調達の機会が広がります。

スタンダード市場の特徴として、上場基準がプライム市場よりも緩やかである点が挙げられます。これにより、成長段階にある企業や新興企業でも上場が可能となり、企業の成長を支援する役割を果たしています。

また、スタンダード市場に上場することで、企業の知名度が向上し、社会的信用度も高まります。これにより、取引先や顧客からの信頼を得やすくなり、ビジネスの拡大に寄与することが期待されます。

グロース市場

グロース市場は、成長性の高い企業が上場するための市場区分であり、特に新興企業やスタートアップにとって魅力的な選択肢となっています。

この市場は、将来的な成長が期待される企業に焦点を当てており、投資家にとっても高いリターンを狙える場となっています。

グロース市場に上場することで、企業は資金調達の機会を広げることができます。成長段階にある企業は、事業拡大や新規プロジェクトのために多額の資金を必要とすることが多く、上場によって得られる資金はその実現を助ける重要な要素となります。

TOKYO PRO Market

TOKYO PRO Marketは、日本の証券取引所における新しい市場区分であり、特に成長企業やベンチャー企業にとって魅力的な選択肢となっています。

この市場は、上場を目指す企業に対して、より柔軟な上場基準を提供することを目的として設立されました。従来の上場市場に比べて、上場手続きが簡素化されているため、企業は迅速に資金調達を行うことが可能です。

TOKYO PRO Marketの特徴の一つは、上場企業に対する情報開示の要件が緩和されている点です。これにより、企業は自社の成長戦略やビジネスモデルを柔軟に展開しながら、投資家とのコミュニケーションを図ることができます。

また、上場後も企業の成長段階に応じたサポートが受けられるため、特に新興企業にとっては大きなメリットとなります。

上場をするために見られている観点とは

上場を目指す企業にとって、投資家や市場からの信頼を得るためにはいくつかの重要な観点が求められます。ここでは、各観点について解説します。

継続的に収益が見込めるか

上場を目指す企業にとって、継続的な収益の見込みは非常に重要な観点です。

投資家や市場は、企業が安定した収益を上げる能力を重視しており、これが上場審査の大きなポイントとなります。収益が安定している企業は、将来的な成長が期待できるため、投資家からの信頼を得やすくなります。

具体的には、過去数年間の財務データや業績推移を分析し、収益のトレンドを示すことが求められます。

例えば、売上高や利益率が安定していること、または成長していることが示されれば、上場の際にプラスの評価を受ける可能性が高まります。さらに、業界内での競争力や市場シェアの拡大も、収益の持続性を裏付ける要素となります。

経営状態が健全か

上場を目指す企業にとって、経営状態の健全性は非常に重要な観点です。投資家や市場は、企業が持続的に成長し、利益を上げる能力があるかどうかを重視します。そのため、上場前には財務諸表や経営指標をしっかりと整備し、透明性のある情報開示が求められます。

具体的には、売上高や利益率、負債比率などの指標が健全であることが必要です。これらの指標が良好であれば、投資家からの信頼を得やすく、上場後の株価にも良い影響を与えるでしょう。

また、経営状態が健全であることは、企業の成長戦略や将来のビジョンを実現するための基盤ともなります。

コーポレートガバナンスが整っているか

上場を目指す企業にとって、コーポレートガバナンスの整備は非常に重要な要素です。コーポレートガバナンスとは、企業の経営が適切に行われるための仕組みやルールのことを指し、株主や利害関係者の利益を守るために必要不可欠です。

上場企業は、透明性の高い経営を求められるため、ガバナンスがしっかりと整っていることが求められます。

具体的には、取締役会や監査役会の構成、内部統制の仕組み、リスク管理体制などが整備されているかが評価されます。

特に、独立した社外取締役の存在は、経営の透明性を高めるために重要です。社外取締役がいることで、経営陣の判断に対するチェック機能が強化され、株主の利益が守られることにつながります。

企業情報やリスク情報の開示ができるか

上場を目指す企業にとって、企業情報やリスク情報の適切な開示は非常に重要な要素です。投資家や市場関係者は、企業の透明性を重視しており、信頼性のある情報が提供されることで、投資判断が行われます。

したがって、企業は自社の財務状況や業績、経営戦略に関する情報を正確かつタイムリーに開示する必要があります。

特に、リスク情報の開示は投資家にとって重要な要素です。市場環境の変化や競争状況、法規制の影響など、企業が直面するリスクを明確に示すことで、投資家はリスクを理解し、適切な判断を下すことができます。これにより、企業は信頼を築き、上場後の株価の安定にも寄与します。

上場する時に頼れる会社・専門家とは

上場を目指す企業にとって、適切なサポートを受けることは非常に重要です。上場プロセスは複雑で多岐にわたるため、専門的な知識や経験を持つ会社や専門家の助けが必要です。ここでは、上場時に頼れる主な会社や専門家について解説します。

証券会社・監査法人

上場を目指す企業にとって、証券会社や監査法人は非常に重要なパートナーとなります。

まず、証券会社は上場プロセス全体をサポートし、企業が市場に出る際のアドバイスを提供します。

具体的には、株式の発行価格の設定や、投資家へのプレゼンテーションの準備、さらには上場後の株価の安定化に向けた戦略など、多岐にわたる役割を果たします。信頼できる証券会社を選ぶことは、上場成功の鍵となるでしょう。

一方、監査法人は企業の財務諸表の監査を行い、透明性を確保する役割を担います。上場企業は、定期的に監査を受けることが求められ、これにより投資家に対して信頼性のある情報を提供することができます。

監査法人の選定も慎重に行う必要があり、経験豊富で信頼性の高い法人を選ぶことで、企業の信用度を高めることができます。

VC

ベンチャーキャピタル(VC)は、企業の成長を支援するために資金を提供する投資機関です。

特に、スタートアップや成長段階にある企業に対して投資を行い、経営のノウハウやネットワークを活用して企業の成長を促進します。上場を目指す企業にとって、VCは非常に重要なパートナーとなることがあります。

VCは単に資金を提供するだけでなく、企業の経営戦略や市場開拓に関するアドバイスを行うことが多いです。彼らは業界のトレンドや競合状況に精通しているため、企業が上場を果たすための戦略を練る際に貴重なインサイトを提供してくれます。

また、VCは他の投資家やパートナーとのコネクションを持っているため、資金調達の際にも大きな助けとなります。

銀行などの金融機関

上場を目指す企業にとって、銀行などの金融機関は非常に重要なパートナーとなります。

特に、上場準備においては資金調達の面で大きな役割を果たします。上場企業は、一般的に多額の資金を必要とするため、金融機関との良好な関係を築くことが不可欠です。銀行は、企業の信用力を評価し、融資や資金調達のサポートを行います。

また、金融機関は企業の成長戦略や資金計画に対してアドバイスを提供することもあります。特に、上場を目指す段階では、資金の流れや運用方法についての専門的な知識が求められるため、金融機関のサポートは心強いものとなります。

顧問弁護士

上場を目指す企業にとって、顧問弁護士は非常に重要な役割を果たします。上場プロセスは複雑であり、法的な手続きや規制を遵守することが求められます。顧問弁護士は、企業が法的リスクを回避し、適切な手続きを踏むための専門知識を提供します。

まず、顧問弁護士は企業の契約書や内部規程の整備をサポートします。これにより、企業が法的に問題のない状態を維持し、上場に向けた準備を進めることができます。

また、上場に際しては、株主や投資家との関係構築も重要です。顧問弁護士は、これらの関係を円滑に進めるためのアドバイスを行い、企業の信頼性を高める手助けをします。

経営コンサルティングファーム

上場を目指す企業にとって、経営コンサルティングファームは非常に重要なパートナーとなります。

これらのファームは、企業の上場準備を支援する専門知識と経験を持っており、上場プロセス全体を通じてさまざまなサポートを提供します。具体的には、上場に向けた戦略の策定や、財務状況の分析、コーポレートガバナンスの整備など、多岐にわたる業務を行います。

また、経営コンサルティングファームは、企業が上場する際に必要な情報開示や、投資家向けのプレゼンテーション資料の作成にも関与します。これにより、企業は自社の強みや成長戦略を効果的に伝えることができ、投資家からの信頼を得ることが可能になります。

まとめ

本記事では、上場のメリットや市場の区分、上場時に求められる観点について詳しく解説しました。

上場することで得られる社会的信用度の向上や知名度の増加、資金調達の容易さ、さらには優秀な人材の確保が可能になることは、企業の成長にとって非常に大きな利点です。

また、上場を目指す際には、プライム市場やスタンダード市場、グロース市場、TOKYO PRO Marketといった市場の特性を理解し、自社に最適な選択をすることが重要です。

上場を成功させるためには、経営コンサルティングファームや証券会社、監査法人、銀行などの金融機関、顧問弁護士といった専門家のサポートを受けることが不可欠です。

これらの要素を総合的に考慮し、自社の上場を実現するための戦略を立てることが、今後の成長に繋がるでしょう。上場を目指す皆様が、この記事を参考にしてより良い意思決定を行えることを願っています。

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