スタートアップに特化したキャリア支援を行っているProfessional Studio株式会社が、スタートアップで働くリアルを伝えるメディア『Startup Frontier』。よく目にするポジティブな面ばかりでなく、苦しみや葛藤など、スタートアップキャリアを歩むうえでのハードシングスについても隠さずにお伝えします。
今回は、飲食店向けに需要予測を活用した自動発注などバックヤード業務を効率化するクラウドサービスHANZOシリーズを展開する株式会社GoalsのHR部門のVP(責任者)を務める、加藤 剛章(Takaaki Kato)氏のスタートアップキャリアを紐解きます。
【Profile】
株式会社Goals HR部門VP 加藤 剛章氏
大学卒業後、地元愛知県にて販売職に従事、その後経理職にキャリアチェンジし、事業会社2社で経理を経験。2014年に上京し、UUUM(ウーム)株式会社の管理部門1人目として入社。経理から始まり、人事・総務・労務等バックオフィス業務全般からビジネスサイドまで幅広く経験。4年半勤務後にセーフィー株式会社に転職。人事部門1人目として人事・総務・労務を中心に経験し、2023年2月に株式会社Goalsに転職。
早く経験を積むためにスタートアップへ
ーーまずは、現在の業務内容について教えてください。
株式会社GoalsのHR部門、いわゆる人事の責任者として、採用、組織開発、労務の主に3つの領域を管掌しています。
ーー32歳で初めてスタートアップへ転職されています。その経緯を教えてください。
人事という立場で言うのは憚られるのですが、今まで自分自身のキャリアプランを長期で意識してきたことはほぼありません。
むしろ、常にその時点での興味や成り行きで仕事を選んできました。
1社目は、学生時代からファッションが好きだったこともあり、アルバイトをしていた紳士靴店にそのまま就職しました。アルバイト時代にお世話になっていた店長が独立をすることになり、誘われるままに就職したのです。
アパレル販売職は、周囲も同じような価値観の方が多く楽しかったのですが、次第に、学生時代の同級生たちがスーツを着て平日働いている姿を見て、自分も同じような働き方をしたいと憧れるようになりました。
そこで転職活動をおこない、未経験で製造業の経理の仕事に就きました。経理職を選んだのは、昔から読書が好きで、当時は特に経済や経営の本をよく読んでいたこともあり、経理はどの会社にも必要とされる仕事であり、スキルを身につければ食うには困らないだろうと思ったからです。
ただ、未経験での経理は募集自体がそもそも少なく、転職活動は苦労しました。
販売経験のみの自分を拾ってくれた当時の上司には本当に感謝していますし、この時の体験は今の自分の想いにも強く影響を与えています。その後の社会人人生で様々な方と出会いましたが、もっとも尊敬しているのはその上司だとはっきり言えるくらい素晴らしい方でした。
その会社では2年働き、尊敬する上司のもとで経理の基礎を経験させてもらったのですが、社風が肌に合わなかったことから転職を決意しました。ただ今後どうするか迷ってしまい、その後は約1年間何もしていない期間があります。いわゆるニートですね笑
半年は本当にニートで毎日ブラブラしていたのですが、そんな日々を過ごすうちにやはり社会と接点を持ちたいと思うようになり、後半の半年は転職活動をして、大阪にある高速バスの会社で再度経理として就職しました。
その会社では、環境も楽しくて、気の合う仲間も多く、毎日楽しく過ごしていました。そんな中、気づけば30歳になり、これから先の自分のキャリアについて段々と考えるようになりました。
なんとなく職探しに困らなそうだからと始めた経理の仕事でしたが、将来ずっと続けたいのかというと、それはまだわからない。決められた業務をコツコツと積み重ねていくやり方は自分に向いていた一方で、大きなやりがいや喜びを感じられるわけではありませんでした。
今後まったく違う職種に挑戦する可能性を考えると、なるべく早く経理業務は一人前にならなければいけない。しかし、当時所属していた会社は、良くも悪くも組織がある程度できあがっており、自分が一通りの経理業務を経験するには、さらに数年かかりそうだなと感じていました。もっと早く経験を積むには、経理担当者が少ない、規模の小さな会社に行くしかないと思いました。
私の世代は、社会人になってからメディアでライブドアやサイバーエージェントといった、いわゆるITベンチャーがよく取り上げられてニュースになることも多く、ITベンチャーというものになんとなく憧れがありました。そこで「規模の小さい会社」「IT業界」といった軸で転職先を探しました。
当時は「スタートアップ」という言葉は世の中で浸透していませんでしたし、私も知りませんでしたが、目指していた企業群としては今で言うスタートアップですね。
転職活動の結果、縁あって2014年6月に、UUUM株式会社に入社することになりました。
ーー加藤さんが転職活動をしている当時、UUUMはまだ創業から1年経っておらず、社員数も10名ほどでした。社員数百人規模の会社から転職するのに、不安はなかったのでしょうか?
不安はありました。規模が小さいことは自分が望んだので良かったのですが、当時のITベンチャーといえば、主流はスマホアプリ、特にモバイルゲームの会社が多く、その中で、YouTuberのマネジメントというビジネス自体にイメージがつかなかったのです。
それでも、入社前から名前を知っているクリエイターもいましたし、スマホの浸透により動画ビジネスが盛り上がるだろうという予感もありました。また、まだ30代前半だし、なんとかなるだろうという楽観的な気持ちもありました。
加えて、昔から天邪鬼な性格だったことも転職の後押しになったのかなと思っています。10代〜20歳前後で吸収したファッション、音楽、本の影響で、むしろマイノリティの方がかっこいいという思考がありました。かっこよく言えばパンクですが、いわゆる厨二病です。
まだ世の中でメジャーになっていないからこそ、挑戦する価値があるのではと考えたのです。
余談ですが、私の入社当時、YouTuberという単語はまだ日本に存在していないに等しい状況でした。UUUMの社内で、海外ではYouTubeStarとかKOL(Key Opinion Leader)とか言うらしい、などと話していた記憶があります。その後、なりたい職業ランキングにYouTuberが入ったり、メディアで日常的にこの単語を目にするようになったので、時代は変わったなと隔世の感があります。
入社してからも、もちろん不安はありましたが、いつの間にか不安は消えていました。毎日が本当に新しいチャレンジの連続で、それが楽しくもあり、またその当時は圧倒的なペースで事業が成長していたので、そんなこと気にしている余裕がなかっただけかもしれません。
UUUMで働くうちに、新しいモチベーションも生まれました。
YouTuberの中には、いい大学に入って、いい会社に入ってと、いわゆる王道のルートに乗らなかった人が数多くいます。それでも、多くの人を笑顔にし、経済的にもしっかりとお金を稼ぐことができ、なにより社会に大きな影響を与えられる存在になれる。
私自身も、決して王道のコースを歩んできたわけではないので、そのような、個人が個人として経済的に自立できる、影響力を持つことができるという世界づくりに共感し、そのお手伝いができることに喜びを感じるようになりました。
「もっとやれたはずだ」悔しくて、泣いた
ーースタートアップの世界に飛び込んでみて、ハードシングスはありましたか。
UUUMは今でこそ上場し、社員も数百名という組織規模ですが、私の入社時は全社員で10名ほどの会社で、なかでも私は管理部門の1人目社員でした。
経理職として入社しましたが、管理部門全体で自分1人だったので、最初は経理以外に総務、労務、その他バックオフィス業務全てと、とにかく会社の運営に必要な業務は全てが自分の担当分野でという状況で、毎日が慌ただしく、そういう意味ではハードでした。オフィスと銀行と区役所と法務局と家電量販店をハシゴするなんて日常茶飯事でしたね笑
私の入社時は原宿の雑居ビルにオフィスがありましたが、防音用マットを床に敷いてオフィスに泊まったことも良い経験です。
しかし、人がどんどん増え、業績もみるみる上がっていくのでやりがいも大きく、それがツラいとは全く思わなかったです。
UUUM時代で精神的に一番ツラかったのはゲーム開発に携わったときのことでした。
私は管理部門に2年在籍した後、当時新規事業だったゲームプロデュースの部門に異動していました。
詳細は伏せますが、担当したとあるゲームで、YouTuberの方に実況を依頼していたのですが、そのYouTuberの方の視聴者層に対して、ゲームの内容が少し過激だったんですよね。もちろんプロなので、動画では最後までプレイしてもらい、しっかりとした実況動画にしてくれたのですが、若干微妙な空気になってしまいました。
そのYouTuberのマネージャーの方から連絡をもらったときは、オフィスのあった六本木のすぐ近くの居酒屋で、上司も含めてチームの飲み会の最中でした。
マネージャーに「(そういった過激な内容であれば)事前に相談して欲しかった」と言われ、苦言を呈された時、自分の考えの至らなさが不甲斐なくて、公衆の面前で涙したのを覚えています。お店から上司を連れ出して路上に出て、報告と謝罪をした瞬間、色々な感情が抑えきれずに泣いてしまいました。
ゲームチームでは、慣れない業務で上司や周囲の方々に助けてもらってばかりで、初めて大きなタイトルを任せてもらえたにも関わらずそのような問題を起こしてしまい、緊張の糸が切れましたね。
後にも先にも、仕事で泣いたのはそれが最初で最後ですね。
ーーそのときの悔しさは、今の仕事に影響を与えているのでしょうか?
そうですね。もう二度と同じ思いをしたくないという気持ちは、常にどこかにあるかもしれません。業務改善や仕事の仕方を変えたというよりは、どんな仕事でも、相手となる人や事象の、そのさらに先にいる人や事象を意識するようになったと思います。
それは、自分の仕事だけではなく、チームメンバーの仕事に対しても同様の目線で気を配るようにもなりました。
自分の経験を活かすなら、今しかない
ーー36歳で、また別のスタートアップに就職されています。何があったのでしょうか?
UUUMでは、経理に始まり、総務や人事、さらにはゲームやイベントプロデュースまで、幅広い業務に携わらせていただきました。
転職前の1年は、YouTuberのファン向けのイベントチームで初めてのリーダー職に就かせていただき、toCのイベント事業にも、リーダーとしてのチームマネジメントにも、大きなやりがいを持っていました。仕事にも部下にも恵まれ、とにかく楽しくて、社会人人生でもっとも充実した期間だったかもしれません。
ただ、やはり天邪鬼なんでしょうね。このままずっとこの状況を続けていくのが最善とは思ってはいませんでした。
どこかに不安があり、何か新しいチャレンジをしなきゃ、という焦りのようなものは常に感じていました。
すぐに転職がしたいというほど意思が決まっていたわけではありませんでしたが、なんとなく情報収集を始めることにしました。すると、とある人材エージェントの方から一度話をしませんかとお声がけいただいたのです。そこで話をするうちに、あらためて経理や人事をはじめとする管理部門での経験、特にUUUMでの管理部門1人目としての経験は、スタートアップで市場価値の高い部分だと気付きました。
その時点では明確に専門性を突き詰めていこうと思っていたわけではありませんが、何社か会社をご紹介いただいた中で、クラウド映像プラットフォームサービスを提供するセーフィー株式会社と出会い、転職を決めたのです。
決め手は、サービスの面白さ、拡張性と、代表である佐渡島の魅力でした。
本格的に転職活動をしたわけではないので、セーフィーと出会わなければ転職していなかったかもしれません。転職を意識し出したタイミングで、魅力的な企業と出会った。転職は本当に運と縁とタイミングですね。
ーーセーフィーでも4年間の在籍でIPOまでご経験され、順調そうに思えます。なぜ、転職を決断したのでしょうか?
特別なにか大きな出来事があったわけではありません。他の転機と同様に、40代をどう過ごすのか考えた結果、転職という選択をしたというのが正直なところです。
入社した当時はまだ30名程度だったセーフィーも、順調に事業も組織も成長し、400名ほどの組織規模になっていました。IPOを経て、今後も5年10年とさらに事業も組織も拡大していく会社だと確信していましたし、ここから先の経験は私にとって大きなやりがいのあるチャレンジだと思っていました。
ただ、その経験はもう少し先の人生でも経験できるのではないか、とも思っていました。
UUUMでは管理部門1人目、セーフィーでは人事1人目として、2社続けて管理部門の初期フェーズでジョインし、事業成長とそれにともなう組織拡大、そしてIPOまで、本当に幸運なことにその中にいることができ、組織づくりにも携わることができました。
そのような経験を活かし、社会に還元するにはもう一度初期のスタートアップに入る方がいいのかなと思い、そのようなフェーズに行くのは精神的にも体力的にもその最後のチャンスではないかと思ったのです。
ーー還元したい、というお気持ちがあったのですね。
そうですね。還元というと綺麗事に聞こえるかもしれませんが、私はスタートアップという世界に可能性を拡げてもらったと感じていますし、その恩を少しでも返したいという気持ちがあります。
スタートアップの世界に飛び込むまで、私には販売職と経理の経験しかありませんでした。それが、今では畑違いの人事として、組織づくり全般に関わる業務に携わらせていただいています。多くのことを任せてもらう中で、またやるしかない状況の中で、様々な経験を積み、自分の可能性が拡がったと思っています。それは私が志向したというより、ただそこでがむしゃらにもがくうちにいつのまにかそうなったというのが私の体感です。
誰であっても、大きく変われるチャンスがスタートアップの世界には転がっています。万人に当てはまることでは無いかもしれませんが、自分の経験を還元することで、そのような世界に飛び込み、キャリアの可能性を拡げる人が増え、またそれによりスタートアップの世界が盛り上がっていくことに繋がればと思っています。
キャリアの可能性を拡げられるのが、スタートアップの魅力
ーーどのように転職活動をされたのか教えてください。
自分自身が人事として採用に携わってきたなかで「スタートアップに転職するなら、この人に依頼すれば間違いない」という方が何名かいました。
その方たちとは、セーフィー時代に仕事を超えた関係値を築けていたつもりでした。そこで、その方たちにまずはフランクに相談をするところから活動を始めました。そのうちの1人がProfessional Studioの市川さんでした。
ーーProfessional Studioの市川さんに伺います。加藤さんから相談を受けて、どのように対応したのでしょうか?
市川:加藤さんの場合はすでに上場スタートアップ2社を経験しており、かなり幅広い知見をお持ちだったのですが、スタートアップ業界も変化が激しいため、最新のスタートアップ市況やいくつかの新興スタートアップの情報をお伝えを通して、何が加藤さんの心の琴線に触れるのかを探るところから始めました。
対話を重ねながら、キャリアに対する考え方や好みの会社について理解を深め、最終的にはUUUMやセーフィー以上にスケールする可能性がある会社に絞って、いくつかの会社をご紹介しました。
ーー加藤さんとしては、実際に提案を受けていかがだったのでしょうか?
自分の知らない知識を多く教えてもらえて助かりました。
スタートアップに飛び込んでから8年程度経過し、その間も仕事柄積極的に情報収集もしていたので、スタートアップ界隈のニュースには敏感だと自覚していました。しかし、市川さんの話を聞き、それが思い上がりだと痛感しました。
ご紹介いただく会社はまったく知らない会社ばかりで、あらためてスタートアップ業界のスピードの早さと、市川さんの情報量に驚きました。当初は、いわゆる転職媒体や、様々なスタートアップの求人情報も見ていたのですが、だんだんとご紹介メインで活動をするようになりました。
ーーなぜ現職への転職を決めたのでしょうか?
管理部門が立ち上げフェーズであることに加え、競合が少ないサービスを展開しているところが大きなポイントでした。
これまでの経験から、参入企業が少ないニッチな領域でサービス展開をしている企業は、市場を独占し、大きく業績を伸ばす可能性があると考えていました。極端な話、市場があるのかどうかすらまだわからないサービスの方が良いとすら考えていたのです。
その点、Goalsが展開する、飲食店向けのクラウドサービスHANZOシリーズは、まだ競合企業がほとんど見当たらないサービスだと感じました。
労働生産人口が減少していく日本では、食品業界に限らず労働集約的な側面が大きい産業での業務効率化の推進は喫緊の課題となってくるはずです。
飲食という領域で言えば、コロナ禍後で客足が戻ってきていることに加え、インバウンドのお客様も多く、働き手が足りないという問題はニュース等でもよく目にします。衣食住の食は今後も永続的に無くならない、無くしてはいけない日本の文化であるにも関わらず、この課題に向き合っているプレイヤーは少なく、うまくいけばこの市場の創造者となり、トップランナーとして大きく事業を拡大させられるのではと感じました。
ーー最後に、今後の展望について教えてください。
仕事としては、引き続き、人事だけでなく管理部門全体の体制を整え、業績拡大を支える基盤づくりを進めていきたいです。
組織の拡大に伴って起こること、どのようなフェーズで、何が必要なのかは、過去の経験から活かせることが多々あると思います。起こりうる問題を先回りで食い止めたり、そもそもそれが起こらないようにしたりすることで、事業拡大を支えられればと思っています。
キャリアとしては、相変わらず特に意識していません。ただ、過去の経験は全て繋がっているんだと今になって思います。
販売職で厳しい労働環境を経験していたので、スタートアップでの働き方が辛いと思ったことは一度もないですし、最初の経理職では働く環境や社風との相性の大事さを知りました。その後ニートになったことで、社会との接点、働くこと自体の素晴らしさを痛感し、大阪では環境が楽しいと仕事が楽しくなることを体感しました。
その都度は点で考えていたことが、今振り返ると線で繋がっていたと感じています。スタートアップには、散らばった点を線にできるくらい幅広い可能性があるのだと思います。
天邪鬼なので、仕事内容に固執せず、今後もそれぞれの経験を活かしながら、新しいチャレンジをし続けたいと思っています。
また、個人としては、スタートアップの間口を広げるための貢献もなにかしらしていきたいと考えています。
ここ数年、政府によるスタートアップ支援などもあり、日本全体としてスタートアップを盛り上げようという機運があるのは素晴らしいことだと思います。
その中で「日本には起業家が足りない」という意見をよく目にします。もちろんアメリカや中国との比較やマクロな視点ではその通りだとは思いますが、スタートアップのリアルな現場にいる私の目線では「本当にそうなのだろうか?」とも思っています。
様々なピッチイベントなどの盛り上がりを見る限り、起業家は確実に増えてきている。VCを筆頭とするリスクマネーの状況も過去に比べれば格段に良くなっている。ただし、スタートアップにチャレンジをする人材が爆発的に増えているかと言うと、そうではない印象を持っています。
社会の雰囲気や従来の価値観もあり、スタートアップは、大企業と比べると安定がない、将来が不透明、給与が低い、といったネガティブなイメージが先行していますが、決してそのようなことはありません。
ネクストユニコーンと呼ばれるスタートアップの企業群の平均年収は上場企業を上回るというニュースも話題になりました。
また、給与面だけでなく、事業の面白さ、会社および個人の成長可能性、リモートワークや柔軟な勤務形態など働きやすい環境づくり等々、スタートアップだからこその魅力も多くあります。大企業や長年続く老舗企業に比べると足りない点はもちろんありますが、それを補ってあまりある魅力があるのも事実です。
特に、私がそうだったように、自分のキャリアについて悩みを抱えていたり、もっと可能性を拡げたいと思っていたりする人にとって、ある意味逆転できる可能性があるのもスタートアップの魅力です。
スタートアップの魅力をさらに多くの人に知ってもらい、チャレンジする人口を増やすことに貢献できるといいなと思っています。特に人事の立場からすると、求職者の方がすでに持っている経験やスキルを重視するのではなく、ポテンシャルや人柄、意欲など定性的な側面に目を向けて採用判断をするようにしたいです。
この根底には、冒頭にお伝えしたように、最初の転職の際に全くの未経験で経理職として採用していただいたことが深く結びついています。当時の上司が、履歴書だけで判断せずに面接で自分を見てくれて、可能性にかけて採用してくれたこと。それによって経理という礎ができ、その後スタートアップへの転職により、仕事の幅が大きく拡がっていきました。
スタートアップは常に人手不足であるがゆえに「即戦力採用」を謳う会社が多いです。そうせざるを得ない事情があるのも理解していますが、そもそもはまだ誰もチャレンジしたことのない事業をつくっているのがスタートアップです。
未知の領域において、これまで培ったスキルや経験がどこまで活きるのかなんて誰にもわかりません。候補者の過去の経験にばかり目を向けず、新しい環境でどのように可能性を開花させることができるのか、という視点から人材を見極め、またその可能性を拡げられる環境づくりを常に心掛け、企業にとっても求職者にとってもWin-Winな採用を多く生み出していく一助になれればと思います。
『Startup Frontier』を運営するProfessional Studioは、スタートアップに特化したキャリア支援を行っています。エージェントはスタートアップ業界経験者のみ。キャリアや転職に関する相談をご希望される方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。