「作るプロ」と「売るプロ」をテクノロジーで最適に結び付け、日本の流通を根本から変革する【株式会社パートナープロップ 代表取締役:井上拓海氏】

日本のBtoB流通において実に7割以上を占めるパートナー(販売代理店)ビジネス。デジタル化のメスがほとんど入っていないこの“未開のフロンティア”に挑み、創業2年で導入社数5万社を突破するという驚異的な急成長を遂げているのが、株式会社パートナープロップです。

今回は代表の井上氏にマイクを向け、世界一を目指す壮大なビジョンの全貌と、業界一線級の人材が熱狂する組織カルチャーについて語っていただきました。

【Profile】

株式会社パートナープロップ  CEO:井上拓海氏

株式会社リクルートのSaaS事業にて「Airペイ」などAirシリーズのアライアンスの戦略設計~推進を実施。月間受注数を約100倍などのグロースを実現。その後、同社にてプロダクトマネジャーとして新規事業の立上げを経験。現在は、パートナービジネスを科学するPRMツールを開発・提供する株式会社パートナープロップを創業。これまでにスタートアップから大手企業まで、数々のパートナービジネスを支援。パートナーマーケティング専門家。

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目次

日本初、35兆円の未開拓市場に挑む「ELG」と「PRM」

──まず、パートナープロップの事業内容について教えてください。

井上: 当社は他社とのエコシステムを活用して事業をグロースさせる「ELG(エコシステム・レッドグロース)」を実現するためのプロダクトを展開しています。スタートアップの世界では営業力で伸ばす「SLG(セールス・レッドグロース)」ならびにプロダクトの力で伸ばす「PLG(プロダクト・レッドグロース)」が有名ですが、2020年代に入り欧米を中心に台頭してきたのがこの「ELG」というビジネスモデルです。

──従来の代理店販売とは何が違うのですか。

井上: 単なる販売チャネルの一つではなく、経営トップが「エコシステムによる成長」を最上位の戦略に据え、それを前提にプロダクト開発や組織を最適化していく点にあります。例えば大手のクラウド会計ソフト企業は、会計事務所のパートナーに使っていただくことを大前提としてプロダクトを開発し、その強力なネットワークを通じてエンドユーザーへ商品を届ける仕組みを構築しました。

──そうしたELG戦略を支えるのが御社のプロダクトなのですね。

井上: はい。そこで不可欠となるのが、パートナー企業との関係を管理する「PRM(パートナー・リレーションシップ・マネジメント)」という概念です。顧客管理を行う「CRM」のパートナー企業版だとイメージしていただくと、わかりやすいかと思います。

──なぜ、これまで日本にはPRMが存在しなかったのでしょうか。

井上:これまで国内のセールステックといわれるCRMやMAは、基本的に直販(直接販売)を効率化するためのものでした。というのもトップクラスのSaaS・IT企業であれば、直販だけで十分に市場を開拓できていたからです。

しかし、いよいよ直販による成長に天井が見え始め、多くの企業がエコシステムやパートナーシップの強化へと舵を切り始めました。パートナービジネスへの本格展開はここ2年ほどの動きなのですが、その結果、これらを管理・支援するシステムの需要が急増しているのです。

──古いやり方のままでいた企業には、具体的にどのような課題があったのでしょうか。

井上: 課題は大きく「可視化」「動機付け」「支援」の3つに集約されます。まず1つ目の「可視化」ですが、とにかくパートナーの活動が見えないことが大きな問題でした。社内であればCRMでKPIをリアルタイムに追えますが、パートナービジネスでは企業間でシステムが異なるため、情報がブラックボックス化してしまうのです。当社のツールは企業間が離れていても活動データをシームレスに“見える化”することで、まずこの問題を解消します。

──2つ目の「動機付け」はどのように解決するのですか。

井上: 従来の日本企業のインセンティブは売上、つまり結果の指標に対する手数料率の変更だけでした。これに対し、欧米では売る手前にある先行指標に対して動機付けを行います。たとえば共同で商談を作るためのマーケティング支援金を事前に提供したり、成果を出した現場の営業担当者個人に対して、システム経由で即座にギフトを贈る仕組みを備えているんですね。このあたりをシステム上に組み入れることでモチベーションアップにつなげています。

──最後の「支援」についてはいかがでしょうか。

井上: 例えばメーカー側に100社のパートナーがあり、各20人の営業がいると、計2,000人もの担当者を育成・フォローせねばならず、人力では不可能です。そのため、これまでは上位数社の大手だけに限定的な支援を行う状態に陥っていました。ここをテクノロジーで均一化していきます。

AIによる質問への自動回答、案件入力による見積書の自動生成、ステップ形式の研修プログラムなどをシステム上で提供します。パートナーが最も売りやすい環境をメーカー主導で全方位に用意できる。この「可視化」「動機付け」「支援」を一気通貫でカバーできる点が、当社のプロダクトの最大の強みです。

──現在の導入実績と、今後の展開について教えてください。

井上: サービス開始から2年ほどですが、アカウントベースの導入社数はすでに5万社を超えています。メーカー様が1社導入されると、その先にいる何十、何百というパートナー企業も一斉に利用を開始する仕組みのため、非常に速いスピード感で拡大しています。

また当社のプロダクトは業界を問わないホリゾンタルSaaSです。現在はIT業界や地域商社様が中心ですが製造業やインフラなど、どの産業であっても「代理店を通じて自社製品を広く流通させる」という本質的な枠組みや課題は変わりません。あらゆる産業に受け入れられる強固な基盤を整えています。

リクルートでの挫折と、米国市場での発見が原体験

──このビジネスモデルをどのようなきっかけで着想されたのですか。

井上: 原点は新卒で入社したリクルートで『Airペイ』の立ち上げに携わった経験にあります。当時は日本のキャッシュレス普及率が10〜20%程度と非常に低い時代。300〜500人規模の圧倒的なマンパワーによる直販体制で全国の店舗へ泥臭く提案していきましたが、リクルートの直販組織をもってしても全国の隅々にまで新しいインフラを普及させるには明確な限界があるという事実に直面したのです。

──そこから戦略を切り替えたわけですね。

井上: はい。自社単独で進めるのをやめ、全国の商工会議所や地銀など強力なネットワークを味方につける間接販売(パートナービジネス)へ舵を切ったんです。そのタイミングで私は着任したのですが、実は立ち上げからの半年間は成果が事実上の「ゼロ」でした。当時の我々にはまだ、全国を飛び回って勉強会を開くというやり方しかなかったんです。

こちらの営業はわずか5人。5人の人間がどれだけ必死に動いたところで何百社のパートナー、その先にいる何万人もの現場営業を動かすことなど不可能です。「人に依存しない仕組みを作らなければ絶対に突破できない」と確信し、欧米の最先端事例を調査・学習した結果、出会ったのが経営戦略としての「ELG」であり、それを支えるシステム「PRM」でした。

──手法を切り替えた結果、数字はどう変わりましたか。

井上: 劇的な変化が起きました。それまで事業全体の数%〜10%程度だった間接販売比率が、最終的には過半数を超えるまでに跳ね上がったのです。東京の若手営業マンが売りに来るよりも、地元で長年信頼されている地域商社や地銀から勧められるほうが、店主の方々も圧倒的に安心できます。この強力なネットワークをテクノロジーで一気通貫に動かしたことで、キャッシュレス移行を一気に加速させることができました。

──素晴らしい実績を活かしてリクルート内で事業化する、という道もあったのでは?

井上: リクルートの強みは店舗支援やtoCでのマッチングですが、PRMはメーカーと代理店という完全なるBtoBの領域です。戦略の方向性を考えると自ら会社を立ち上げ、意思決定のスピードを最大限に高めて突っ走ったほうが、圧倒的に早く世の中に価値を届けられる。そう考えて起業を決意しました。

──パートナープロップを通じて、井上さんが提供したい価値とは何でしょうか。

井上: 「日本のBtoB流通を根底から変革すること」です。多くの志あるスタートアップや優秀なものづくり企業が、優れたプロダクトを開発しているにも関わらず、それを広く届ける『流通チャネル』を開拓できず、道半ばで力尽きています。

──作るのは得意でも、売るのが苦手というのは日本企業に共通した課題かもしれません。

たとえばクライアントでもある愛知県の機器メーカー様は、世界一の技術力がありながら販売チャネルの構築が巧みな米国製品などに苦戦を強いられていました。これまでの国内セールステックは「営業マン個人のスキル向上」でしたが、我々は違います。「メーカーの皆様は世界一の技術力を高めることだけに集中してください。必要な市場への流通網は我々のプラットフォーム上で一瞬で構築します」という世界観を提供したい。作るプロと売るプロをテクノロジーで最適に結びつけたいのです。

──それは非常に明快なビジョンですね。

井上: さらに分かりやすく言うなら、我々は“BtoBにおけるAmazon”を目指しています。BtoCではAmazonが世界の流通を変革しましたが、BtoBの企業間取引における流通プラットフォームは世界中で未だに誰も確立できていません。我々がこの領域で世界ナンバーワンのプラットフォーマーになり、日本の優れた企業が我々のエンジンを使って世界中に羽ばたいていく。そんな流通変革のインフラになることこそが当社の真の命題である、と考えています。

『2周目シニア』と『若手ハイレイヤー』が個人の“Will”で熱狂する組織

──パートナープロップの社内カルチャーやマネジメントスタイルには、どのような特徴がありますか。

井上: ひと言でいえば“リクルートの文化”に色濃く影響を受けており、特徴は大きく2つあります。1つ目は、当社の最重要バリューである『なりたい!を拘れ』に集約されるマネジメントです。採用面接や毎クオーターの面談では、会社が与える目標ではなく、まずメンバー自身の「Will(どうなりたいか)」という人生の根源的な欲求を深く掘り下げます。

──会社都合ではなく、個人のWillから入るのですね。

井上: 仕事は会社のための自己犠牲で行うものではなく、個人のなりたい姿を実現するための最高の舞台であるべきだからです。仕事と自分自身のWillが完全に紐づいた瞬間、人は勝手に熱狂し始めます。この内発的な動機を引き出し、会社の成長とシンクロさせるために並々ならぬ注力をしています。

──組織のもう1つの特徴は何でしょうか。

井上: 組織全体に漂う“部活感”です。ドライではなく、非常にウェットで熱い絆があります。月1回の「月次レビュー」では全員で成果を称え合い、爆笑し、お互いに鼓舞しあいながら、最高のボルテージで盛り上がります。もちろん単なる仲良しグループではなく、実務ではひとりひとりがプロフェッショナル。まるで強豪の部活動のように同じ高い目標を掲げて、死に物狂いでぶつかり合う圧倒的一体感があります。

──それほど熱量が高い組織に、なぜ優秀な人材が集まってくるのでしょうか。

井上: 35兆円という市場の圧倒的な大きさ、日本全体のBtoB流通を変革するという高い社会的意義、そしてグローバルNo.1を見据えた圧倒的な業績成長率という3つの要素に魅力を感じてもらえているからでしょう。その結果、現在の組織には『2周目シニア人材』と『若手ハイレイヤー』という、非常にユニークで尖った2つの属性が融合しています。

──『2周目シニア人材』とは具体的にどのような方々ですか。

井上: たとえば直近で参画してくれた福山は、国内シェアトップクラスの大手SaaS企業の元・代表取締役社長です。彼はパートナービジネスを牽引して国内最速でARR100億円を突破させた実績を持ちますが「まだ誰も成し遂げていない『世界を獲る』挑戦に人生を賭けたい」と、いちメンバーとして船に乗ってくれました。

他にも建築DXのメガベンチャーでVPoE(技術組織最高責任者)を務めていたトップエンジニアも参画しています。すでに1周目のキャリアで圧倒的な成功を収めたシニアプロフェッショナルたちが、純粋に“世界を獲る”という壮大なチャレンジに惹かれて集まっているのです。

──では、もう一方の『若手ハイレイヤー』とは。

井上: リクルートで最年少級ながらリーダークラスに昇格した人間や、一流の戦略コンサルで基礎体力を鍛え上げてきた20代後半〜30代前半の、圧倒的に優秀な若手たちです。超一流のシニアと若手が化学反応を起こすこともしばしば。平均年齢は37歳と非常に活気があります。

──2つの強力な属性が融合する中、マネジメントのセンターピンは何でしょうか。

井上: 「圧倒的なミッションドリブン」と「一人ひとりのWillへの徹底したリスペクト」の2つに尽きます。どれほど優秀でこだわりの強い方であっても、流通変革という壮大なミッションに魂の底から共鳴しています。同時に、ここで戦うことが自分の人生のWillを叶える最高の環境だと確信している。だからこそどれだけ意見がぶつかり合っても、最終的には“コトに向かう”建設的な集中力を発揮できるのです。

スキルマッチを超えて  パートナープロップに優秀な人材が集まる理由

──これほどハイレベルで個性的なメンバーを採用する選考プロセスとは、どのような内容なのでしょうか。

井上: 当社の選考プロセスは一般とは少々異なります。まず過去の実績やスキルの評価は二の次です。私の面談は候補者の方の「10年後にどうありたいか」という人生の「Will」を徹底的に深掘りする対話を行います。

スキルマッチだけで入社を決めてしまうと、環境変化で業務が変わった瞬間にモチベーションが折れてしまいます。しかしWillの根底で会社と強固にマッチしていれば、どんなに高い壁が現れても挫けません。しかもスキルは後からいくらでも自発的にアップデートしていける。この選考プロセスのおかげで結果として入社に至らなかった方からも「人生でやりたかったことが初めて明確に言語化できた」と感謝されるケースも多いです。

──ここで、Professional Studioの井村さんにお伺いします。エージェントという立場から見たパートナープロップの魅力とは何でしょうか。

Professional Studio井村(以下井村): 世の中に壮大なビジョンを語るスタートアップはたくさんありますが、候補者様が「本当に達成できるのだろうか」と不安を抱くケースも少なくありません。それに対してパートナープロップ様と接触された方はみな一様に「この組織なら本当に世界を獲るかもしれない」という強烈な確信をお持ちになられます。

それは「自己効力感」と「組織効力感」が極めて高いレベルで同時に満たされるからです。井上さんとの対話で自身のWillが呼び覚まされ、自分もアップデートできるという自己効力感が湧く。同時に、社内にはパートナービジネスでARR100億円まで伸ばしてきた社長経験のある福山さんをはじめとする『2周目シニア人材』が熱狂して事業を推進している圧倒的なファクトがある。この仲間となら本当に世界に行ける、という高い組織効力感の掛け算こそが優秀な人材をグリップする魅力なのだと思います。

──これまで具体的にどのようなポジションの採用を支援されてきたのですか。

井村: 直近の約1年間でも、まずは組織の基盤を構築するカスタマーサクセスプランニングの責任者の参画をご支援させていただきました。さらに、35兆円市場を本格的に開拓するための最重要戦略として、エンタープライズ事業の立ち上げを牽引するシニアプレイヤーの参画も実現しています。お二方とも超一流の実績を持つ方々ですが、「ここが一番だ」と確信され、退路を断って船に乗る決断をしてくださいました。

──井上さんから見て、Professional Studioの独自性はどのように映っていますか。

井上: Professional Studioさんの「候補者一人ひとりの人生に徹底的に向き合う姿勢」の徹底ぶりは圧倒的です。事前に深いレベルまでWillを引き出し言語化してくださるため、ご紹介いただく方は最初から高い解像度と熱量を持って面談に臨んでくださいます。

また、スキルが抜群であっても「本人のWillと現在のフェーズを照らし合わせると、今回はベストな機会にならないかもしれない」と、エージェントの視点から客観的かつ誠実にフィードバックしてくれる。経営トップとして、これほど心強い採用パートナーはいません。

──最後に、この記事を読んでいる未来の挑戦者たちへそれぞれの立場からメッセージをお願いします。

井村: パートナープロップという環境は、単にスキルを活かして転職する場所ではありません。ここで求められるのは自分の可能性を信じ、世界を舞台に誰も成し遂げたことのない巨大な流通変革に胸躍らせることができるか、という純粋な覚悟一点のみです。ぜひ一度門を叩き、ご自身のWillを言語化し、ぶつけてみてほしいと思います。

井上: 我々が挑んでいる「35兆円のBtoB流通の変革」と「世界ナンバーワンへの挑戦」は、極めて難易度が高いゴールであると認識しています。だからこそ圧倒的なエネルギーを持った若手ハイレイヤーの力と、百戦錬磨の経験を積んできた2周目シニア人材の知恵が融合した『最強のチーム』が必要なのです。我々の船の席はまだまだ空いています。人生をかけて、社会に大きな爪痕を遺す歴史的な偉業を一緒に成し遂げましょう。


創業わずか2年で導入5万社を突破し、35兆円の間接販売市場のDXへ挑むパートナープロップ。リクルート出身の井上氏が持つ原体験と欧米流ELG戦略の融合は、日本企業の流通網を世界レベルへ引き上げる可能性を秘めている。

特筆すべきは、ARR100億円まで伸ばしてきた元代表をはじめとする『2周目シニア』と『若手ハイレイヤー』が個人の「Will」を原動力に部活のような熱量で突き進む組織のリアリティだ。スキルマッチを超えた「Willの共鳴」を仲介するProfessional Studioとのタッグのもと、同社はこれからも世界一へ向けて加速を続けていくだろう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

『Startup Frontier』を運営するProfessional Studioは、スタートアップに特化したキャリア支援を行っています。エージェントはスタートアップ業界経験者のみ。キャリアや転職に関する相談をご希望される方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

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